みのる俳句集 17
一羽飛び立つさま見せて鴨の陣
対岸に点綴の灯や鴨の陣
鴨の陣ボトルメールも浮くやらん
雪に抱かれつ玉太るものありて
土を均して人参の轢死体
雪持ちの良き根菜の畑かな
嬰眠り雪の車窓はスクリーン
大寒や終日水に浸るごと
切々と白息を吐きゐたること
大寒の山麓にある秘宝館
風が覗きて玄冬の旧校舎
梅林の外れの梅を見てをりぬ
風神に睨め下ろさるる春ショール
春寒の東司の壺を見学す
我ならば陰で用足す紅椿
春光を丸呑みにしてビスタカー
初蝶のアルミポールに来て止まる