『参』巻頭作家作品4(辻滋子)
秋詠5句
演能に海月の潮満つ橋がかり
渋面の匂へ芙蓉の咲きそろひ
投縄や勢子の引摺る荒牡鹿
角切や荒鹿鎮めの土器の水
野馬追の拳突き上ぐ勝名乗
無題
鉦方は早退けの子や在祭
自転車を案山子に預け石舞台
実になりしなんぢゃもんぢゃを見に行かな
運動会スタート合図はづせし子
開きたる地図尺獲に計らるる