特選 |
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眼前に青嶺立体駐車場 大年の水を打ちたる金剛家 野遊びの父に口笛誉められし |
林真理子 松田うた 矢田部美幸 |
秀逸 |
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コーランの聞こゆる街の朝寝かな 乾鮭のまこと乾びた音をせり 年の暮れ癖の直らぬ竹箒 大歓喜のごとき口開け目刺かな 寒晴や油抜きせし竹干され |
新井比佐代 川勝好女 川端久子 鈴木稔 田中房子 |
入選 |
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水仙や食べるに惜しき細工菓子 ふち少し焦げたるピザや受難節 自転車も風船の子も渡し船 転勤のいくたび長子夜寒来る 茎立や二泊三日の旅終へて 等寸の竹の節目や春の雨 アネモネや留守番電話に話しをり 児のあとを歩く烏や梅祭 纜につまづきて乗る花曇り 夏空の広しと思ふ白馬岳かな 落暉いまたわわの柿にありにけり かたくなに髪型変へず二月尽 歩道行くアンデルセンの国の鴨 ものの芽やきのふ纏ひしものを干す 点字ブロック尽きて朧の庭に出る 氏神に樹医の来てをり寒明くる 春泥を三和土にのこす野菜売 飛石は和服の歩巾梅ましろ スペインの壺に挿したる破魔矢かな 与謝しぐれ見えゐて遠き舟屋の灯 歩兵二十連隊跡のつくし摘む アマリリス三面鏡によその窓 焼香の腕に眠る子枇杷の花 仕出し屋の長靴赤し花の門 花柊塀の長きは葭長者 城趾まで雪の轍となりにけり 笹鳴や徐福の宮の鈴錆て 還暦の年逝く鏡拭ひゐて 煤払ひ蔵へ深入りしたるまま ゆつくりと母の身支度春きざす 斑雪野に盆景ほどの宮の杜 探梅や一人に越され二人来る 大江嶺のふところふかき追儺かな 火燧灘白波立てり野水仙 手を浄む山の淑気に蹲居して |
荒井節子 新井比佐代 伊藤晶子 井上嘉津子 石倉信乃 磯谷好美 岡村美江 奥村正子 奥村和子 奥村木久枝 奥村文子 河田喜代子 神原廣子 佐名木京子 佐藤昭子 菅江玲子 角南とみ子 角南とみ子 曾根はる 田原きぬ 橋村静恵 橋本孝子 橋本孝子 橋本孝子 林田千代 水野美代子 湊妙子 向井冨美子 森初代 森田雅子 安井久 山口美栄子 山本康夫 吉田うた佳 和田美奈子 |
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