日々録
日記のようなものを書いてみようかな、と思いました。
備忘録を兼ねて、日々思ったことを書き付けておこうか、という事です。
一人言めいた内容もありますが、興味があれば、お読み下さい。
9月分「日々録」
10月分「日々録」
11月分「日々録」
12月分「日々録」
1月分「日々録」
【2月28日】
夜中にひどい腹痛で目を覚ます。吐き気もあり、熱もある。風邪とは違うように思うので、夕食で食べた鳥の唐揚げが原因か、とも考える。普段は、唐揚げなど全く食べないので、胃腸が吃驚したのだろうか。夜中に一人で脂汗をながしながら痛みに唸っている姿は、何とも悲惨である。やがて腹痛は収まったので、寝に就く。
朝、お腹の方は何とかなりそうだけれど、熱が下がらない。発熱の伴う腹痛は、あまり良くないと聞いたことがあるが、ともかく今日は出勤する他はない。今日は卒業式で、クラスの子達に卒業証書を渡さねばならないのだ。
【2月27日】
坪内稔典編の『漱石俳句集』を読んでいる。多彩な作品群。でも、やはり文人俳句なのだろうか、とも思う。知識で作られた句が、結構多いように思う。ただ、現在半分ほどまで読み進んでいるのだが、明治31年頃からぐっと面白さがましているような気がする(初期の作は、ちょっと稚拙な感じがして、今ひとつという印象であったのだ)。この先が楽しみである。
相変わらず、俳句は出来ない。もっぱら読むことが中心。井上さんの『あをぞら』は全句入力済み。形式部分については、このデーターで何とかなるだろうと思う。3月に入ったら、第一句集『風の事典(岩城先生は『かぜのことてん』と読まれるのだが)』を読み始めようと思う。それにしても、『あをぞら』は完成度の高い句集だと、改めて感心する。
明日は、卒業式予行。明後日は、本番? 何となく気分的に落ち着かない。早く終わってほしいような・・・そんな気分である。そう言えば、『あをぞら』にも卒業にまつわる句が何句か入っていた、と思う。例えば、「卒業のあるだけの灯を点しけり」「礼をして耳美しき卒業子」「卒業の空のうつれるピアノかな」。
【2月23日】
朝一番の仕事は、「答辞」の添削。表現を整え、入力。
午後、天気が回復しそうなので、久しぶりに鴨川の散歩に出かける。昨日までの雨のせいか、鴨川の水量は普段より多い。鴨や白鷺、五位鷺、翡翠の姿など眺められたが、すでに北へ帰ってしまったのか、ユリカモメの姿が全く見えない。鴨川を上流に向かいながら、来年の冬まで会えないのかと、物足らないような思いでいると、頭上を軽快に飛びすぎる影に気づく。飛び去っていく姿を見送りながら、それがユリカモメの姿だと気づく。まだ、帰らないでいた鳥がいたのだ。散歩に来た甲斐があったと思う。
立花隆氏と利根川進氏のロングインタビュー『精神と物質』を読む。ノーベル生理学医学賞を受賞した「抗体の多様性生成」の機構発見についてのお話。丁寧な解説文も付いていて、研究の概要がなんとなく分かる。最近俳句関係の本ばかり読んでいるので、全く違った分野の本であったが、理解したなりに分子生物学も面白いものだ、と思う。
昨日書き、『燕巣』に送ったばかりの杉浦圭祐さんの「かなかなや木の国の木の家にいて」の鑑賞文を下に載せます。
「木の国」は「紀国」と同義で、紀伊国(現在の和歌山ならびに三重県の一部を含む)を意味すると辞書には説明されてある。作者杉浦氏は和歌山県新宮市の出身である。そこで、この句は、たとえば「故郷の和歌山県新宮市の木造家屋である自宅で聴くかなかなよ」とでも解釈が出来そうだ。しかし、それは辞書的な意味に忠実ではあっても、詩を鑑賞する態度ではあるまい。「木の国」は、文字通り「木の国」、緑豊かな森林の国なのであろう。「木の家」もその森林から切り出された木材を使って建てられた家(「木」という言葉の繰り返しがもたらす連想として)、ということであろう。そこにおいては、「かなかな」もヒトも、大きな自然の中で等しく深く息をしていることであろう。杉浦氏の作品は、懐かしい生活の香りと、かすかな自然の息吹を感じさせてくれるようだ。「鶏頭を前に無傷を誇りたる」の句も。
【2月21日】
卒業式の式歌としてイルカの「なごり雪」が決まった。その練習用にカラオケを手に入れたいと思ったのだが、同僚の先生がネット検索で2002年バージョンの「なごり雪」にカラオケ版が収録されていることをつきとめられて、早速帰り道にあるレンタルショップに置いてないか、と探しに行く。しかし、目的のものはなかったので、仕方なく四条のJという店まで買いに行くことにする。
何というか、珍妙な、昔の桃割れ風の髪型をした店員さん(男性である)が、その見かけにもかかわらず丁寧に対応してくれて、カラオケ入りのCDを手に入れる。ついでに二階で5枚入りのトスカニーニのCDも購入。外に出ると、夕闇の迫る四条通りに、ひらひらと「なごり雪」が降っていた。それが、昨日の出来事だ。
今日は、3年生の登校日。「なごり雪」の歌詞カードを渡し、テープを流す。反応は、今ひとつ、か。放課後、「答辞」の原稿作り。二人の書いた物を読み合わせしながら、教師二人生徒二人で相談しつつ細部に手を入れてゆく。夕方までかかって下書き第3稿が出来上がる。コンピューターに入力して、本日の作業は終了。次は月曜日。読み上げ用原稿作りにかかる予定。
7時前に退勤。ミューズの合唱の申し込みに京都市内まで行く。7月の合唱はオルフの「カルミナ・ブラーナ」。面白い曲だけれど、随分と難しい曲である。
【2月19日】
今日は、ロードレース。男子は17キロ、女子は12キロを走る。天気は曇り。やがてスタート時刻が近くなる頃、小雨が降り出す。走路員として、城陽市内の某有名ゴルフ場脇の道路に立つ。スタートは10時。幸い雨は止む。ゴルフ場と反対側の雑木林は、すでに冬の枯れ枯れした様子はない。時折、セグロセキレイや椋鳥の姿を見る。20分ほどして、先頭走者がやって来る。あとは、途切れることなく生徒達の集団が続く。バドミントン部の生徒たちにハッパをかける。
復路の最後尾の生徒を見送ってから、他の先生達と別の監視地点に移動。今年度開校した某私学の校門前が次の場所。立派な校舎を見上げながら、かなりばてばて状態の生徒たちに声援を送る。最後尾の男子生徒二人が後追いの先生と通過して後、彼らを追う形でゴール地点の運動公園まで走る。
前の学校の時は、伴走という事で生徒達と一緒に走っていたのだが、こちらに移ってからはその機会がないので、役目を終えてから後追い補助みたいな形で走ることにしている。ゴールまで3キロほどか。ともかく、走る。結構しんどい。
生徒達は、午前中で終わり。生徒達のいない午後の学校は、本当に静かだ。授業の教材を作ったり、補習の中身を考えたり、情報処理担当の方の手助けで、卒業の式歌の準備をしたりする。
【2月18日】
土曜日、急用のためいけなかったので、日を改め、日曜日に京都芸術高校の「卒業制作展」を見に行く。思っていた以上に大規模な展示会でちょっとびっくりする。入場者が多くて、教え子のOさんがどこにいるか分からず、一通り見学を終えてから、会場の外で関係者の人にお願いして呼び出してもらう。卒業してからすでに10数年になるのに、高校時代と全く面影が変わっていないのも、ちょっと驚き?であった。仕事は、随分大変そうだけれど、頑張ったなりに返ってくるものもあって、大変やり甲斐を感じているようであった。ただ、頑張りすぎて体を壊した、という事が気掛かりであった。
卒業展会場を出て、御所に沿って地下鉄の駅の方へ引き返す。途中で御所内に入って、梅林を見に行く。全体としては梅の花はまだまだという状態だったが、数本の白梅、紅梅が五分咲きで、近づくとほのかに花の良い匂いが漂って来る。
火曜日、放課後。卒業式の答辞指導。男女二人で原稿を作り、分担して読むという形となる。すでに、下書き第一稿が出来上がり、それを持ち寄っての打ち合わせ。21日には下書き第二稿が出来上がる予定。着々卒業式に向かって動いて行く。今日、クラスの就職希望の生徒が一人内定決定。厳しい求人状況の中、事務職で採用。また一人進路が決まり、ほっとする。
香山リカ著『若者の法則』岩波新書、を読んでいる。現在の若者の行動を心理面から分析し、その行動様式の背後にある共通要素を「法則」として明らかにする、という内容の本。世のおじさん、おばさんがこれを読んで、若者の不可解な行動について、一定の解釈を与えられ、ちょっと安心する、という体の本ではないな、との印象。この本は、おじさん、おばさん以上に当の若い人に読んでもらい、その感想を聞いてみたいような内容。とても面白い本である。
【2月15日】
7階のベランダから伏見の町を眺め渡すと、日差しは明らかに春のものである。少し風があって、肌寒いけれど、久しぶりに家中の窓を開けて、外の空気を入れる。
朝からネットの俳句関係の掲示板に書き込み。俳句の「省略」と「切れ」との関係について。投句作品はちょっと平成の談林派風のものが多いけれど、掲示板の書き込みにはなかなか面白いものがある。何人かの論客がいて、その人たちとのやり取りも緊張するけれども、面白い。
中村草田男の『俳句入門』を読む。理論部分を草田男の実作が凌駕?しているところが何とも面白い。昨夜は、気分を変えて会津八一の短歌を読んでみた。全体が平仮名書き、単語ごとに一文字空きで、五七五七七と文字空けが重層的なリズム構造を作り上げているような印象。内容は、万葉風でありながら、近代的な感覚が時にほの見える、という作風であった。
午後からは、しばらくぶりに散歩の予定。前の学校で担任をしていた子が、京都芸術高校で教師をやっており、3年間手塩にかけた生徒達の「卒業制作展」の案内をもらったので、普段とはコースを変え、行ってこようかな、と思っている。ちなみに場所は、KBSホール(地下鉄丸太町下車徒歩5分)。2月15・16日の両日、10時から16時までとのことです。
さあ、出かけようと思ったら、携帯にメールが入っていることに気づく。以後、急遽職場にいく羽目になり、予定は完全に狂う。用件をすませ、すでに3時を過ぎていたので、今日は行くことをあきらめる。書店に立ち寄り、定期購読している「俳句研究」を貰いに行き、上履き用のつっかけを買い、ついでに散髪まで行く。さらに、40分ほどジョギングをし、見ないまま返し忘れていたビデオをこのまま返すに忍びなく、延滞料金を払うつもりで見る、という事になる。一体、今日一日何をやっていたのだ、と思う。
【2月11日】
今日は、一日雨のようである。
朝、7時過ぎから本を読み始めて、ずっと読みついでいた山本健吉『俳句とは何か』を読了する。「軽み」ということについて、勝手に思いこんでいた妄を開かれたような気持ちになった。
一休みの後、来月末の「醍醐会」向けて準備作業。とりあえず井上さんの句集『あをぞら』をデータベース化するために、項目立てを行って句を入力する。数日前から作業を続けていたのだが、ようやく150句まで入力が済む。ちょうど半分くらいになったか。内容面での分析は後に回すとして、表現面でいくつか見え始めたことがあり、入力作業も結構楽しいものとなった。内容面では、第一句集『風の事典』から、『あをぞら』の句と共通する素材を探し出し、作品化された両者の句を比較する中で気が付いたことを纏めてみようと考えている。
1時過ぎに一休み。買い物に行くのが面倒なので、ご飯だけ炊いておにぎりを二つ作って食べる。その後、吉本ばななの新作『ハゴロモ』を読み始める。以前読んだ小説と似たような内容だな、と思いつつも、つい感動してしまう。4時前には読了。読み終えて、気分が良かった。一休み後、買い物に行こうか。それにしても、依然として雨が降り続いている。
【2月9日】
清水さんから勧められた『わたしの歳事ノート』宇多喜代子著を読んでいる。これは、以前「俳句研究」に連載されていたものを纏められたものだった。掲載当時、毎号楽しみつつ読んでいたが、今回まとめて読み直していて、授業中に使うお話のネタの幾つかがこの本の内容に基づいていることに気が付いたりした。「大変面白いので、是非読んでみて下さい。」という清水さんの推薦は、大正解であった。
昨日は、「いさなご句会」。蟹の季節のせいか、自由席も満席状態であった。丹後は、思っていたほど雪は残っていなかった。丹後半島の白さが印象的だった。今日の句会は、参加者も多く、作品も談話も大変楽しいものとなった。交通事故に遭われしばらくお休みしておられた水野さんも、元気そうで安心した。
句会が終わり、峰山駅で顔なじみになった売店の人と話をしたりながら、待合室に備え付けられたテレビで夕方の番組をしばらく見る。若い女性タレントの作る料理を食べるという内容の番組だったが、またまた大笑い状態となる。本当によく笑った一日であった。
車中でビールを飲みながらの話。次回の「醍醐会」の事。次は3月の第五日曜日に開かれるのだが、テーマは「井上弘美『あをぞら』を読む」という時宜にかなったもの。レポーターは、「幡」会員の中村与謝男さんと私。岩城先生は、当日は井上さんの第一句集『風の事典』との関連で話をしたい、とのこと。竹中さんの句集も間もなく出版されることになっており、来年には竹中さんの新句集が取り上げられるだろう、などとも話す。楽しみのような怖い?ような気持ちになる。結社のこと、作品のことなど話しているうちに京都着となる。
【2月7日】
昨日は、発熱のために一日寝込む。インフルエンザでなかったのは幸いだった。数日まえから、調子が変であったのは、この予兆であったか。
今日は、とにかく出勤しなければならないので、行く。放課後、卒業認定会議が控えているのだ。夕焼けの余韻が西の空に残っているころ、会議終了。積み残しの課題は、月曜日へまわる。
すでにミューズでは、夏の合唱に向けて「カルミナ・ブラーナ」の練習に入っているはずだ。今日は参加申し込みに行こうか、とも思ったが、体調がまだ完全ではないので、1週間先延ばしにする。
明日は、「いさなご句会」。岩城先生から携帯あり。座席指定がとれなかった、とのこと。京都から座席を取っておきましょうか、と話すが、京都駅まで来られるとのこと。
邑書林句集文庫の『山口誓子集激浪』読了。桂信子氏の「激浪ノート」が同時掲載されていた。句作品の方は、ちょっと意外な印象であったが、桂氏の「ノート」の方は、興味深く読む。千余句を内容、表現で分類しつつ、この句集の位置付けを明らかにしていく手腕は大した物だ、と感心する。
【2月4日】
今日は、立春。一日、良い天気であった。風がなければ、日差しがずいぶん暖かい。昼間も長くなってきたのがわかる。夕方、綺麗な茜空を見ながら走る。薄い三日月が西空に架かっているのが見える。
昨日は節分。午前中には、時折、ひらひらと牡丹雪が舞っていたりもしたものだ。仕事を終え、伏見へ。「月曜会」へ参加する。本物の懸想文を見る。書き出しは『奥の細道』の冒頭。流麗たる文章であった。
9時過ぎに句会は終了。帰宅が遅くなったので、結局豆も撒かず、太巻きも食べず、という節分の夜であった。
KAさんから手紙を頂く。1月5日にもたれた「空の会」に出されたレポートを送って下さる。KOさんの50句を鑑賞する、という集まり。切り口の鋭いレポートで、読んでいてとても面白かった。
清水さんから、メールを頂く。返事を書きあぐねる。ぶっきらぼうな内容となってしまった。すいません。
【2月1日】
井上弘美さんが、句集『あをぞら』で、俳人協会新人賞を受賞された。
昨日は、夕方清水貴久彦さんが学会出席で来京され、岩城先生と飯泉さんと四条のミュンヘンにて飲み会。仕事の関係で2時間遅れで参加。その場で井上さんの受賞の話を聞き、岩城先生が電話をされる。うまく連絡がついて、来てもらえることとなった。40分後、到着。まず、お祝いの乾杯。今日の井上さんは、なんともキラキラ輝いて見えたものだ。年が明けて間もなく、11年間看病しておられたお母さんが亡くなられ、そして今回新人賞を受賞され、大きなうねりの中へ入られたのだな、と感じた。そんな姿を間近に見ることができて、こちらもちょっと緊張する。
清水さんの身の上にも大きな変化があって、びっくりする。時は確実に動いているのだな、と思う。
10時過ぎまでミュンヘンで飲み、その後、飯泉さんと別れ、四人でジャズ酒場の「マジョリカ」へ。小さな狭い酒場だけれど、レコード盤のジャズが流れ、雰囲気のある店。12時過ぎまで飲みつつ話す。清水さんが、しきりに「わからん、わからん。」を連発される。