日々録
日記のようなものを書いてみようかな、と思いました。             
備忘録を兼ねて、日々思ったことを書き付けておこうか、という事です。             
一人言めいた内容もありますが、興味があれば、お読み下さい。

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【07年2月27日】
日曜午後、国立近代美術館に行くつもりで外出したのだが、微妙に腰の具合が悪く、歩くと両脚が痺れるような感覚があり、このまま無理すると、また以前のようにぎっくり腰状態になりそうな嫌な予感がしたので、自宅に引き返す。外出は中止して、本を読んで過ごす。ソファーに坐るのも腰に負担がかかるので、床のカーペットの上にごろんと横になって読書。夕方まで、そんな格好でいて、体中が痛くなる。
月曜日。午後、所用のため、時間休を取って退勤。色々なことを全部自分一人でしなければならないのが、少々面倒くさい。数カ所廻って、用事を済ませ、夕方帰宅。移動はタクシーと電車、そして歩きだったのだが、昨日半日大人しくしていたせいか、かなり長距離を歩いたのだが、腰の状態は大丈夫であった。夜、パソコンで遊ぶ。書店で買ってきた、日経BPソフトプレス社『ひと目でわかるWINDOES VISTAビジネス編』を眺めつつ、色々操作してみる。HDDのパーティションが、現状のまま出来るというので、試しにやってみたりする。ちゃんと出来るので、感心する。寝るまでの時間、小林氏の『天才伝説横山やすし』を読む。この人の、突き放したような人物評が面白い。本当に破天荒と言って良いような横山やすしの人となりと生き様に対して、かなりはっきりと嫌悪感を表明しつつも、その突き放したような筆致の積み重ねの中に、次第のこの人が目撃した横山やすしという特異な個性の持ち主の姿が浮かび上がって来るのが面白い。読み進みつつ、なんとなく胸打たれる様な仕儀になってくるのだ。12時過ぎまでかかって、読み終えてしまう。この人の芸人評伝は、読み応えがある。
火曜日。退勤後、2、3ヶ月に一度ずつ出かけてみる古本屋に立ち寄ってみる。ドウーグル・J・リンズィーの句集『むつごろう』、小澤克巳の句集『庵と銀河』(句集言いつつも、現在まで刊行した5句集の抄出句集であった)、そして参の会のメンバーの一人松田うたさんの第一句集『しらべ緒』が手に入った。これは嬉しかった。「序」文は、『霜林』主宰の桂樟蹊子氏であった。今夜は、この一冊を読もうと思う。


【07年2月25日】
金曜日。帰宅してみると、メールに知り合いからの飲み会の連絡。日にちは、本日。すでに待ち合わせの時間は過ぎていたのだけれど、久し振りの事なので、出かけてみる。場所は、京阪桃山駅の近くの店。通りから少し奥へ入った所の、落ち着いた和風の居酒屋だった。二人の間に挟まって、談論風発状態の二人のやり取りに耳を傾けつつ、美味しい料理と焼酎をいただく。相変わらずの二人に、居心地の良さを感じつつ、3時間ほど楽しい時間を過ごす。私は、そのまま帰宅したけれど、二人はその後さらに一軒梯子したと、そのうちの一人の本日のメールに触れてあった。
土曜日。午後、新聞の記事で読んだ「京都国際マンガミュージアム」に出かけてみる。京都市と京都精華大学(マンガ学部がある個性的な大学。結構面白い大学だと、個人的には興味津々)によって共立された「日本初のマンガ博物館・図書館」とのことだ。ちょうど、特別展『GANDAM〜来るべき未来のために』をやっているということもあり、一度出かけてみようと思ったのだ。地下鉄御池駅から徒歩5分、元小学校の敷地と校舎を利用したものだそうだ。出かけてみると、特別展のせいもあるのか、その来館者の多さに意外?な思いがする。ちょっとマニアックな感じの施設だから、どうかなと思っていたのだ。『GANDAM』展は、なかなか面白かった。音と映像、絵画・写真・工芸・彫刻(と言っていいのか、巨大な像。登場人物の一人、セイラという女の子の像。これは必見かもしれない)・書と篆刻・・・・・・と様々な表現手段を用いて、「ガンダム」的世界を表現しようとする。なかなか意欲的な展示会だった。1階フロアの一画には、マンガの壁があって膨大な数のマンガ本がおいてある。自由に読めるので、高橋留美子の本などしばらく立ち読みをする。帰りに、鳥獣戯画のデザインの入った封筒と一筆箋を買って帰る。なかなか面白い施設だった(これで入館料がもっと安かったら良かったのだが。ちなみに大人は一人1500円であった。映画1本の料金である)。
その後、京都御所へ行く。ちょうど梅林の紅梅白梅が見頃ではないかと思ったのだが、木によってまばらという状態であった。寒の戻りのせいか、遊覧客も少なくて、寒々とした雰囲気であった。何となく肩すかしをくったような印象で、御所を斜めに横断し、寺町筋を下がって三月書房に立ち寄り、俳句関係の本と寺山修司のエッセイと作品集、小林信彦『天才伝説横山やすし』を買う。さらに、ゼスト御池の「ふたば書房」で、「Vista」関係の本を1冊買う。ランを使ってのインターネット接続がうまくいかないので、解説書の手助けを借りることにしたのだ。寺町京極から錦市場といういつものコースをたどり、地下鉄で帰宅。夕食後、パソコンの設定を行うが、めでたくネットに繋がる。夜、小林氏の本を読む。落魄、という印象の強い晩年の横山やすしの姿というものが、いつだったかのテレビで放映されていたが、ちょっと胸が痛くなるような思いが残っている。そんな事が、この本を読む切っ掛けになっているのだろうと思う。
日曜日。というか、朝の夢見が今ひとつ。起きると、両脚が重い。昨日、そんなに歩いたつもりは無いのだが、足が弱っているのだろうか。腰のせいかもしれない。

【07年2月22日】
2月22日。今日は、「にゃんにゃんにゃん」で猫の日だそうだ。私は、どちらかというと、かなり熱烈な犬派ではあるのだが、ちょっと猫にも心惹かれる部分はあるのだ。そう言えば、子供の頃、祖母の家では「タマ」という名前の三毛猫を飼っていたことを思い出した。月に一度くらい、土曜日に泊まりに行くと、夕方ふらりと帰ってきて、縁側でくつろいだりしている姿が泰然自若という風情でなかなか印象的だった。そう言えば、家裏の井戸とか、母屋と離れた所にあった厨や外厠などの家の造りも思い出したりする。小さな庭を横切って、夜中に外厠に行くのは、随分勇気が必要で、暗い電球一つがぽつんと点いた厠で、大急ぎで用を足したものだ。あの厠の風情は、ずっと後になって登山をするようになっての、山小屋やテント設営場に設置されたトイレで再度体験することになるのだが。
全く迂闊なことだったけれど、田村木國氏は現三村純也主宰の結社「山茶花」の主宰をつとめておられたのだ。句集『山行』の中に「山茶花高野夏行四句」の詞書がある一句に出会って思い出した。ちなみに、その句は「大露にこたへて白し寺障子」「大露の葎よろめき立ちし蝶」「刻々と色をたがへて露の玉」「へらへらと飛ぶ蝉露の深きかな」であった。いずれも写生句ではあるけれど、対象に対してちょっと面白い把握の仕方をしている点が気になる。
ここ数日、朝夕は寒いけれど、昼間は本当にぽかぽかと暖かい。校門で昼の立ち番をしながら、小グランドで遊んでいる2年生の姿を眺めつつ、なんとなく長閑な思いを味わったりしている。結構本気でボール遊びをしている様子を眺めながら、こちらもちょっと楽しい気分になる。立ち番を終えて、職員室に帰る際、前庭の隅に植えられた紅梅が、すでに満開になっているのが眺められた。
夕方、4週間に1度の通院。薬を貰いに行く。普段は、タクシーを呼ぶのだが、今日は歩いて行くことにする。40分ほどかかるのだけれど、夕方の町並を眺めながら歩く。中天に薄く三日月がかかっている。ビックリするほど早く通院を終えて、速やかに薬を受け取って帰る。途中、書店に寄って、「vista」の解説書を1冊購入。帰りの電車の中で、ずっと読む。色々面白い機能が搭載されているようだ。「桐」は機能しなかったけれど、互換モードにすれば動くかも、などと思う。インストールは出来たので、もう一度試してみよう、などと思う。しばらくは、「vista」で楽しめそうである。

【07年2月19日】
ソフマップのオリジナルパソコンで、コア2デュオ・ビスタアルティメット仕様のものを購入する。ネットをいずれ光に変えるので、その準備も兼ねて一番新しいものを買うことにする。ソフト類は一切入っていないのだけれど、それでも結構値段が張ったので、ディスプレイは中古の液晶を購入。とりあえず、元のパソコンと繋いでそこからインターネットにも接続することにする。ビスタは、一太郎は認識したけれど、ロータスは駄目、DVD・CDクリエータというソフトも駄目。B4印刷が可能な古いプリンターももちろん認識しないので、ビスタからは使えない事が分かる。いずれプリンターも新たに買うことになるかもしれない、などと思う。全く物入りではある。しかし、新しいパソコンを色々いじくりまわすのは、結構楽しい。
それにしても、最初に申し込んだのは昨年末、その後年が明けて改めてNTT西日本の光プレミアムに申し込んで、以後全くなしのつぶてで、業を煮やして電話したのが先週。先週末には回線の増設を終えて、こちらに連絡が入るとの事であったが、今週に入っても何の連絡もない(まあ、月曜日ではあるけれど)。全く商売っ気がないのか、いい加減なのか、よく分からない会社である。
田村木國の句集『山行』を読み始める。田村木國は「ほととぎす」の俳人。『山行』は同氏の第三句集である。装幀は川端龍子。「新年・夏・秋・冬」という四季別構成となっている。けれん味のない、落ち着いた句柄で、やわらかく対象を描写していて、読んでいて気持ちが良い。
明日は、ロードレースの日。天気は良いだろう。少し寒いくらいの方が、走る生徒達には体力的に楽かもしれないが、きっと長距離走には少し暖かすぎる陽気になるのではないか、と思う。こちらは、3時間立ちっぱなしで路上観察係。生徒と一緒に走っている方が、マシかもしれないとも思う。

【07年2月14日】
月曜日。午後、久し振りに鴨川散策に出かける。北風が強かったけれど、良い天気で日差しは明るい。こんな陽気で、ゆりかもめはもう帰ってしまったのではないか、などと心配したけれど、ちゃんとまだ居残っていてくれた。好天に誘われて、たくさんの人が鴨川河畔でのんびりと三連休最後の午後を楽しんでいた。京大のブラバンの楽器練習もいつもの情景の一つだし、楽器と言えば、蛇皮線を弾く人、親子でアコーデオン演奏をする人などの姿もあった。デートするカップル、ウオーキングをする中高年の人たち、ジョギングをする市民ランナーの団体。ヨーロッパ系の人、アジア系の人などの観光客の姿もある。そんな長閑な情景を眺めるのも、鴨川散策の醍醐味の一つだ。
三条から出町までいつものコースを歩き、さらに下鴨神社まで歩を延ばす。高野川沿いにしばらく歩くのも気分が良い。糺の森は、まだ冬枯れの風情があちらこちらに残っていて、ちょっと物寂しい。ただ、参道は観光客の行き来が盛んだ。下鴨神社境内もたくさんの人出で、ちょっとだけ句材を拾って、速やかに退散する。そのまま、京都御所の方にまわることにする。御所の中をてくてく歩きながら、園内の松の立ち姿の美しさを改めて感じる。梅林まで足を延ばす。しかし、まだまだ見頃とはいえない状態で、数本の紅梅がぽつぽつ花を咲かせている程度の状態で、少々期待はずれであった。丸太町で地下鉄に乗車、京都駅まで出て、ちょっとだけ大階段を上ってくる。最近、駅構内の大階段がお気に入りとなってしまった。間もなく階段早上り競争が開催されるらしい。伊勢丹の4階から11階に当たる高さまでを階段で上る。屋上にでると、京都市街地の南北の景色が眺め渡せる。それも、お気に入りの一つだ。西に傾いた夕日がまだまだ明るく輝いていて、少しもやって見える市街地をぼんやりと眺めるのは気分が良い。三連休を堪能した思いである。
火曜日、水曜日。仕事。特に変わった事はない。明日は一日、推薦入試の業務に携わる。
『俳句研究』3月号を買って帰る。帰りの電車の中で、すこしだけエッセイと評論を読む。作品は、南うみおさんの句を読む。新生活を始められて3年目、最近すこしづつ新しい環境が句作の中に生き始め、やっと自らの心にかなう句が出来はじめたという。そうなるのに、この3年間があったそうだ。『醍醐会』で出会った時に、その時々のお話を聞いてはいたのだが、頑張っておられるのだな、と改めて思う。

【07年2月12日】
日曜日。午後から大学時代のサークルのOB・OG会参加のため、会場まで出かける。数十年ぶりに大学キャンパス内を少し歩く。日曜日のため、構内は殆ど人通りはない。サークルの現役生が、小雨が降る中、ぽつりぽつりと案内板を持って立っているのが、少々気の毒である。
会場には、すでに50名近い人たちが集まっている。中をぐるりと見回すと、ほとんど顔見知りはいない。かろうじて、3期生のO氏の姿を認め、横の席に座りに行く。私は、4期生なのだが、今回の総会には初期メンバーは私とO氏の二人だけの参加のようだ。やがて、前会長の司会で総会が始まる。2年に一度の会なので、その間のサークルの活動の紹介が、パワーポイントを使って行われる。綺麗な写真と軽妙な説明で、楽しみながら2年間の会の活動を知る。自分たちが現役だった頃に比べ、活動の質と量と遊び心がぐんと高まっている点が今風だな、と思う。短い休憩を挟み、各期生の挨拶が行われる。4期生は、参加者が私一人だったので、必然的にこちらにスピーチがまわってくる。まず口切りということで、当時の活動を思い出しながら、自分の経験も交えて予定5分のところを、つい10分ほど話してしまう。その後、各期生の思い出話が続く。皆、面白いエピソードを紹介してくれるので、大笑いしながら話を聞く。各回期生の挨拶の最後に、昨年若くして急死されたOBの紹介がなされる。サークルの掲示板で触れてあった話だな、と思う。その後、参加者全員でゲームを楽しみ、上位入賞チームにサークル特製の帽子がプレゼントされ、盛り上がりの内に今回のOB・OG会は終了する。大変楽しい集まりだった。2年後の集まりを楽しみにしたい。ただ、初期の会員の参加が、もう少しあればよかったのにと帰り道で、O氏と話す。そのまま帰るのももったいないので、0氏と喫茶店に入ってしばらく談笑する。近況や、仕事のこと、OB・OGの消息など話す。
O氏と別れ、ぶらぶら歩いて最寄りのJR駅まで行く。一端京都駅まで出て、近鉄に乗り換えるつもりであったが、時間的にまだ早かったので、アバンティのソフマップギガショップへ寄ってみる。予定しているパソコンが入荷しているか、確認にいったのだが、店員の話によると不具合が発見されて、入荷が月末に伸び、しかも恐らく構成が変更されるだろうとのことだった。性能と値段がぴったりだと期待していたので、がっかりする。別の機種に変えようか、と思う。そのまま帰宅する。早めに就寝。
月曜。6時過ぎ起床。良い天気である。とりあえず、部屋の掃除をしなければ、と思う。

【07年2月10日】
土曜日。丹後「すき句会」の日。いつもより家を出るのが遅くなって、駅へ着いたときには、すでに「はしだて1号」には、かなり長い列が出来ていた。三連休の初日ということで、丹後方面にもかなりの旅行者が出かけようとしているのだろう、と思う。幸い、岩城先生共々席に着くことが出来て、車中ではもっぱら句会に向けて二人とも句作り。本日の宿題は、「海雀(箱河豚のこと)」であった。丹後が近づくにつれて、天気は下り坂。丹後大宮に着いた時は、小雨が降り出していた。さほど寒くはない。
1時から句会。参加者は14名。会員の方の1人が、「ぽっぺん」を持って来られたので、それを席題として加え、7句投句7句選。3時間半の句会。高点句は8点句で「火鉢」の句、次は6点で「熊」、そして5点句「手術痕」の句であった。「ぽっぺん」と「海雀」の句は、どちらも選が割れたようだ。私の句は、「初午」と「春の野」の2句が岩城選に入る。複数句入るとは、最近では珍しいことだ。句会後、いつものように岩城先生や水野さん夫妻と談笑。水野さんに車で駅まで送っていただく。帰りの車中では、缶ビールを飲みつつ、四方山話。それにしても、こんな風にして毎月のように岩城先生と丹後に通い始めて、もう何年たつことだろうか、と思う。「すき句会」だけでも、すでに3年目に入ったところだ。それ以前の峰山での「いさなご句会」が5、6年あったから、もう10年近くになる。本当に、時間のたつのは早いものだ、と思う。
岩城先生は二条駅で下車され、私は終点の京都駅まで。京都駅着は8時過ぎなので、真っ直ぐ帰宅するほかはない。そのまま近鉄に乗って帰る。帰宅後は、軽く夕食。その後、句会の会計の整理と自作の記録を行う。テレビでは、団塊の世代の特集番組を行っている。話題は、あまり明るい方面には向かわないようだ。
11時過ぎ。これから少し本を読み、就寝という予定。『日本の喜劇人』間もなく読了する。

【07年2月8日】
朝は寒く、昼は暖かい。さらに、午後からは、小雨なども時折混じる空模様となった。天気は、引き続き下り気味で、明日は朝から雨になるかもしれない。
小林信彦『日本の喜劇人』を読み進む。渥美清の部分は、『おかしな男』の要約版風な内容で、ちょっと物足りなかった。「てなもんや三度笠」、てんぷくトリオ、コント55号、由利徹と懐かしいテレビ番組や人物達の論評は、結構面白かった。引き続き、藤山寛美、そして萩本欽一、たけし、と話は続くようだ。現在、お笑いの世界ではピン芸人がブームだけれど、果たしてその中の何人が後年論評の対象となりうるだろうか、などとふと思う。テレビ視聴率の消耗品という性格ばかりが、全体に感じられて、なんとも覚束なく無惨で儚い。
昨夜は、久し振りに9時過ぎに寝た。そんなつもりでもなかったのだが、ベットに横になって本を読んでいる内に、うとうととして、そのまま眠り込んでしまったらしい。12時過ぎに一度目を覚まし、テレビをつけるが、そのまま寝入り、4時過ぎにまた目を覚まし、あと1時間半は寝られると思っているうちにまたコトンと寝込んでしまったようだ。6時前になって、やっとちゃんと目を覚まして起床。随分長い睡眠時間であったな、と思う。昼間、バタバタしていたので、ちょっと疲れていたのかもしれない。それに、寝ようと思って寝るのではなく、起きているつもりでいつの間にか寝入ってしまう、そんな眠りはとろりと甘い、ような感触があるのかもしれない。
明日は、金曜日。本格的にミューズのレッスンに参加を始めようか、と思う。土曜日は、一日丹後行き。日曜日は、大学時代のサークルのOB・OG会。なんか、色々とあるようだ。

【07年2月6日】
日曜、午後。江戸時代の画家伊藤若沖の墓所がある石峯寺へ出かける。そこには、若沖と当時の住職とが彫り上げたという五百羅漢像があるということなので、それも見学したいと思ったからだ。石峯寺は、住宅街の裏手にひっそりとあった。伏見の町を見渡せる若沖の墓所に参り、その後、本堂裏手の山中にある五百羅漢像を見に行く。五百羅漢と言っても、実際には釈迦の生涯を描いたものだそうだ。釈迦とその弟子達の本当に素朴な石像が、竹落ち葉に埋もれるようにして、あちらこちらにと点在していた。中には、ほとんど自然石に帰ったようなものもあり、それがかえって静謐な味わいを深めていた。墓域の入り口に当たるところに、土中から掘り出されたという隠れキリシタンのものと言われる墓石が据えられ、菊の花が供えられていたりもした。暖かくなったら、また訪ねてみたい寺である。
月曜日、火曜日、普通に仕事。
小林信彦著『おかしな男渥美清』読了。深い感銘を受ける。渥美清、本名田所安雄氏を理解する最良の一冊に出会えたのではないか、という感触を持つ。後日、小林氏の『日本の喜劇人』を買ってくる。劇団ひとり著『陰日向に咲く花』読了。図書館でふと目にとまったので、借りて帰ってきて読んだのだけれど、これが意外と面白い。にやっとするような仕掛けなど、作者の遊び心もあり、笑わせたり、ほろりとさせたりと楽しませてくれる。語り口にちょっと素人っぽさを残しつつも、それが素朴な良さとして感じられるくらい好感のもてる短編小説集だった。三並夏著『平成マシンガン』読了。十五歳で文芸賞を受賞したという作品だそうだ。これも、図書館で目に止まって借りて帰った本。達者な語り口で、ちょっと才気を感じさせるけれど、主人公を除き、登場人物が全く類型的で、取って付けたようなストーリー展開と相俟って、頑張って書いているなと思いつつも、かなり物足りない一作であった。これが「文芸賞」受賞作品であるという事で、ちょっと賞自体に疑問を感じてしまう。


【07年2月4日】
今日は、立春の日。朝は、どんより曇って、カーテンを開けても室内が薄暗いような有様だったが、少し雲が高くなってきたようだ。朝寝を決め込むつもりで、7時過ぎまで蒲団の中に入っていたが、肩の辺りが冷や冷やするような感じで、とうとう起きることにする。朝食を食べ、コーヒーを飲むが、まだ眠い。目を覚まさせるつもりで、竹内薫著『ホーキング虚時間の宇宙』というしばらく読んできた本を読み終える。まだ、眠い。
昨日は、午後から外出。市内Takasimayaで開催されている「山田洋次の原風景」展を見に行く。映画パネルの展示と紹介、くるまやのミニュチアセット(ドールハウスというのか、とにかく精巧な家屋模型、ただ、台所の隣に薪で焚く小さな風呂場があるはずなのに、それがなかったのはなぜか?)、オリジナルビデオ(「山田監督の挨拶」「山田監督と渥美清さん」「山田洋次の原風景」の三本)、そして圧巻は「くるまや」の茶の間の再現。ここだけは、写真撮影が可能なので、携帯のカメラで何枚も写真を写す。撮影用のセットとは言え、梁も柱も随分立派なものだった。寅さんの二階の部屋へ続く階段を覗いてみたり、たこ社長が座るのは、縁のここいら辺りだなと確かめてみたり、茶の間に吊された寅さんの上着とか、いつも手にしていたトランクが随分頑丈で立派なものだと感心したりした。トランクの中には、古いトランジスターラジオやコンパクトな日本地図などが入っているのもわかった。茶の間の真ん中に置かれたコタツの上には、ちょうど節分の日ということで、鬼の面や節分用の豆などもさりげなく置かれてあった。土間のたたきに当たるところには、おそらくさくらの靴や寅さんの雪駄と思われる履き物が三足ほど並べ置かれてあった。そんな茶の間のセットを、十分くらい出たり入ったりぐるりを歩いたりしていた。入場者は、さすがに中高年の人が多かった。中には、パネルを見ながら懐かしそうに映画の話をしている人たちもいた。会場の奥が仕切られてそこでオリジナルビデオの上映が行われていたが、30分余りの上映を皆椅子に腰掛けてちゃんと見ているのがとても印象的だった(普通、イベントのビデオなどは、見流しという事が多いように思うのだけれど)。展示を見終わり、カタログと切通理作著『山田洋次の世界』小林信彦著『おかしな男渥美清』を買って帰る。6万円の『男はつらいよ大全』という大著もあったけれど、さすがに手は出せなかった。
takasimayaを出て、ちょっと寺町の電気街に立ち寄ってみることにした。しかし、2年ほど行かない間に、電気街はすっかり寂れてしまっていた。知っている店が随分なくなっていた。そのかわり、巨大なマンションが建設途中だったりした。二軒ほど店に入ってみたが、陳列された商品も見劣りのするものばかりで、これじゃ購買欲をそそらないな、と思う。これでは、あと数年をまたず、寺町電気街は完全に廃れてしまうのでは、と思う。京都駅前にヨドバシカメラが本格的に店舗展開をすれば、とどめの一撃になりそうだ。そのまま道を引き返し、寺町京極をぶらぶらして、一筋西の通りを錦市場まで引き返し、市場で丸かぶりの巻き寿司と節分用の豆を買って地下鉄で帰宅。思ったより遅くなっていて、藤森神社の節分会の奉納舞は間に合いそうもないので、豆撒きだけ見に行くことにして、とりあえず自分の家の豆撒きを済ませる。
八時過ぎに藤森神社へ出かける。思った以上の人出で、奉納舞台の周りは随分の人だかりが出来ていた。最初に方代の焚き上げの儀式があり、その後、スモークと照明とBGMの中、二頭の鬼が登場、一渡り舞台上で周りを威嚇したのち、三人の舞姿の少年の手で撒かれた豆で退散するという寸劇風の儀式がおこなわれる。境内一面を包む煙の向こうに、月が煌々と輝いているのが印象的だった。その後、総代代表の人たちが舞台の上から四方に向けて豆を撒き、集まった人たちが歓声をあげながら飛んできた豆を奪い合う。鬼と豆撒きの儀式は、二度繰り返されるようだけれど、一度目を見て帰る。少し薄着できていたのだが、風が吹くとき以外は寒さを感じない、そんな夜だった。

【07年2月3日】
2月3日、節分の日。近所の「藤森神社」では、夕方から節分会が催されるらしい。ちょっと見物にでかけてみようか、と思う。今日は、朝から上天気である。日差しが明るく、暖かい。絶好の洗濯日和である。
金曜日。夕方、京都市内へ。新しいパソコンを購入するつもりで出かけたのだが、まだ納品されていなかった。空振りであった。時間が出来たので、ミューズに入団申し込みに行く。夏の合唱は、フォーレ『レクイエム』。大変美しい曲である。すでに100名以上の入団者があるらしいが、目標が250名なので、まだまだ団員不足という状態のようだ。申し込み締め切りは、2月23日。そのまま真っ直ぐ帰るのも勿体ないので、京都駅にまわり、最近お気に入りの大階段をのぼりに行く。人工の極地みたいな現在の京都駅だけれど、結構個人的には面白いと思っている。伊勢丹を抉るようにして作られた大階段は、その下にステージが設けられ、即席の観覧席になったり、2月の中旬には、階段早上り競争が開催されたりもする場所だ。傾斜は結構急で、一気に屋上に上り着くと息が荒くなるくらいだけれど、空がぐんと開けて寒いけれど気分は良い。振り返ると、駅ビルの向こう東山の上に寒満月が煌々と輝いていて思わず見入ってしまう。屋上から、京都の市街地の夜景を眺め、百万都市とはいいながら、意外に暗い街明かりに今更気が付いたりもしたものだ。
帰りは駅構内の雑踏の中を歩く。以前は、人混みの中を歩くことは少々鬱陶しく感じたりしていたのだが、今では逆にその中を歩くことが苦痛ではなくなってきている。雑踏の中に自分を紛らわすことの気楽さを感じているのかもしれない。不思議なことだ。一度、地下まで降りて、いつもの珈琲店でコーヒーを買って帰る。
夜、つい「千とちひろの神隠し」を見てしまう。長い映画であるが、つい最後まで見てしまう。これで、4度目か。いつ見ても、最後の方の海になった広い場所を電車で出かけるシーンが印象に残る。異世界というものを一番強く感じるのは、一連のあの場面である。ぼーとして、その世界に眺め入る感じで見てしまう。懐かしく、寂しい世界である。その後、ベットにごろりと横になってしばらく読書。そのうちに寝入ってしまう。

【07年2月1日】
夕方になるにしたがって、ぐんぐんと寒くなってきている。雲の切れた空から、綺麗な満月が薄い光を放っている。部屋の中にいても、肌寒い感じがする。
今日は、きりたんぽというものを食べてみた。きりたんぽ鍋用の鶏出汁のスープも買ってきて、ちょっと本格風に作ってみたのだが、思っていたほどの味でなかったのが、少し残念であった。きりたんぽが、よくなかったのかもしれない。電子レンジでまず温めなければならない、という体のインスタントものであったようだ。
BSで、9時から『男はつらいよ』の特集番組をしている。色々なエピソードや、登場人物の紹介やらを中心にした構成。フーテンの寅さん豆知識風で、面白い。何気ないことなのに、ついつい笑いを誘われてしまう。そして、しんみりしたりもする。なんて豊かな内容を持っていることだろうと、つくづく感心してしまう。
そう言えば、2月に入ってから、市内のどこかのデパートで山田洋次監督の映画世界を特集した催しがあるのではなかったか、などとふと思い出す。あるいは、すでに終わってしまっていたか? 大事なことを、ぽろぽろと忘れていたりする。困ったことだ。