日々録
日記のようなものを書いてみようかな、と思いました。             
備忘録を兼ねて、日々思ったことを書き付けておこうか、という事です。             
一人言めいた内容もありますが、興味があれば、お読み下さい。

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【08年7月30日】
如何せん、どうにも暑い。今年は、例年にも増して、暑い。エアコンを付け、さらに扇風機を回して、涼を取っているような有様である。本当に、どうなっているのだろうか。とは言いつつも、今日は少し涼しいような気がする。気温は、35度近いのだが、外を歩いていても時折、涼風がふっと吹き抜けていく時があったりする。ちょっとした誤算で、帰りも駅まで歩く羽目になり、うんざりしながら歩いていたのだが、川沿いの並木の下を歩くときには、涼気を感じたりもしたものだ。「歩き」は、軽く1万歩を越え、1万5千歩近くになった。今日はもう、これ以上歩くのは願い下げである。
帰宅後は、着ていたものをすべて洗濯機に放り込んで、洗濯のスイッチを入れ、そのままシャワーを浴び、そして一息つく。軽く発泡酒を飲んで、あとはぐったり状態である。免許更新のレポートの書き直し分を、出来るだけ早めに終えて仕舞いたいのだが、その気力が湧かない。御飯を炊き、みそ汁、野菜サラダ、茄子の煮つけ、さらに魚肉ソーセージ1本(何故、こんなもの買っておいたのだろうか……)付きの夕食。買い物に行くのが面倒だったので、とりあえず冷蔵庫にあるものでおかずを調達したようなものだ。ほぼ、野菜のみのヘルシーな夕食。
「ハリーポッター」は、とうとう終盤にかかっている。今夜で、読み終わることになるだろう。面白いながらに、この重苦しさは読み続けるのに少々抵抗感を感じさせる。この長い物語も、いったいどのような結末を迎えるのか、実は全く知らないのだが、さてどんな大団円がまっていることだろう。
ボクシングの内藤大助の防衛戦は、見応えのある試合だった。リングに乗っていないときには飄々とした内藤の、試合の際の目の鋭さと、相手に誘いをかける闘争的な姿はなかなか印象的だった。ところが、何を思ったのか(きっとテレビの演出なのだろうが)、試合が終わって後、例のK田がリングに登っている。この恥知らずが、一体どんなつもりでこの場にいるのか、と思う。せっかくの好試合がちょっと不快なものに変わってしまった。ボクシングに下らない演出などは全く必要ない。

【08年7月29日】
暑いながらに、朝は一駅前で下車して、職場まで歩く。しとっと汗をかきながらも、住宅地を抜けて、田んぼが広がるあたりまで来ると、眼前の視界も開けて、気持ちよい景色が広がる。青々と伸びた水田の稲の葉の切っ先の鋭角が、視覚的に涼しさを感じさせて、背後から照りつける朝日の暑さをちょっと忘れさせてくれる。前方はるかの西山の山並みが、暑さのせいかどこかもやったような姿で横たわっている。道路の脇を流れる用水路には、ザリガニやらジャイアント田螺やらが、流れの底でじっとしている姿なども見える。今日は、どこからやって来たのか、亀が一匹ぽかっと水面から首を擡げているのに出会う。葉桜の並木の下を通り、小さな橋を渡ると、職場はもう近い。
就職指導は、今がたけなわと言いつつも、希望者の人数がうんと少なくて、少々拍子抜けの気持ちもある。それでも、希望先の相談を受けたり、企業訪問の手配をしたり、進学関係の補習のついでに模擬面接の指導などしていると、いつの間にか昼過ぎになっていたりする。暑い中を、20分ほど歩いて外に食事をとりに行くのも、学校が夏季休業に入った時期ならではの事と思う。定時退勤。遅れ気味にやって来たバスに乗る。駅まで行き、高架下のスーパーで夕食の総菜などを買って帰る。車中では、「ハリーポッター」の続きを読む。すでに上巻を終え、下巻も半分近くになっている。色々な伏線も少しずつ明らかになってきている。それにしても、重たい展開であるな。今夜も、早めに床について、続きを読むことになるのだろう。



【08年7月26日】
猛暑続きの1週間が終わる。朝、5時過ぎ、「歩き」に出る。朝から暑い。時折、涼風がすっと吹き抜けていくのが救い。ちょっとした木立には、クマゼミがシャーシャーとうるさいくらいに鳴き募っている。道の両側から鳴き盛るところを通り過ぎると、頭の中で蝉声がハレーションを起こしそうである。疎水沿いに歩き、さらに樹木が生い茂る小さな公園の中を通り抜けて、ぐるりと近所を1周。約1時間の「歩き」であった。第四土曜日は、資源ゴミ回収の日なので、新聞紙やペットボトル、段ボールなどを片づけて、所定の場所へ出しておく。歩いているときは汗をかかないのに、こんなちょっとした作業をすると、一汗かくことになる。シャワーを浴び、洗濯。帰省した甥の部屋の枕カバーやら夏掛けの毛布やらを洗う。枕をベランダに干す。甥は1月半ほどの夏休み。こちらは、一人暮らしに戻る。
金曜日、夜。涼しさを期待しつつ、夜の「歩き」に出る。ついでに、近所の本屋に行って、「ハリーポッター」の最新刊を買ってくるつもり。8時過ぎとはいえ、外は昼間の熱気が地上にわだかまっている状態。暑い。本屋に行くと、カウンタを中心に、『ハリーポッターと死の秘宝』が、いくつも平積みの山を作っている。レジの背後にも、20冊ほど積んである。上下2巻で4000円弱。ちょっと高いな、と思いつつも購入。専用の手提げ袋に入れて、渡してくれる。それを片手に、相変わらず暑い町中をマンションへと帰る。120ページほど読む。重い内容である。
明日は、「翔の会」。竹中宏研究の第2回目。各自が短いレポートを持ち寄って、それを話題として議論を進めることとなる。私は、「気ばらし」について、まとめることにする。「気ばらし」としての「俳句」についての、哲学的考察という内容。筆者の観念操作についていくのが、まず大変である。それを、要点のみまとめ直していくのが、またまた大変である。とは言っても、本文を私はどのように読んだのか、という程度の内容になってしまいそうだ。
うっかりしていて、人間ドックの申し込みを日延ばしにしていたら、8月一杯すべて満員ということで、9月に入ってから行く羽目になってしまった。例年になく申し込みが詰まっているのか、と思う。『翔臨』の原稿の初稿をまとめ、免許更新のレポートを2本書き、うち1本は恐らく全面書き直ししなければならないだろうし、俳人協会の「授業実践」報告用のレジュメが8ページ程にもなり、その上「翔の会」のレポートということで、ここしばらくもの書くことが重なっていて、少々疲れる(もっと早く準備しておけば良いのだろうが、そうもいかないのが人の情というものであろう……開き直りか)。

【08年7月23日】
日・月と免許更新講習に参加する。日曜日は、京都の伝統的行事についてということで、祇園祭と六道参りについての講義を聴く。講師の先生の専門分野の話を聞くことが出来るので、なかなか面白かった。翌日は、国語科教授法。読解力について、より広い視野に基づく見解を聞き、こちらも面白かった。途中、門真の中学校の先生と意見交流を持つ時間などもあって、密度の高い時間を過ごすことが出来た。二日目は3時前に終了したので、そのまま歩いて、昨日の講義の中にも登場した「千本えんま堂」に行く。ちょうど、夏の特別拝観の時期で、閻魔堂の中まで見ることが出来て大変良かった。さらに、少し足を延ばして岩城先生の自宅にお邪魔してみると、運良く岩城先生ご夫妻が帰宅しておられて、1時間ほどお話をする時間がもてた。本に取り巻かれた(というより膨大な本に埋もれた)お宅に、つい居心地良さを感じたりしてしまったものだ。
「古典落語」を読む。面白い。「三人旅」なんてのは、ちょっと高座ではやれないかもしれない、などと思いつつ読む。風俗の生々しさがあったりする。古今亭志ん生のCDを買ってきて、毎晩聞いている。面白い。「らくだ」なんていう話は、本当にヤクザな噺だと思いつつも、つい聞き入ってしまう。古典落語の面白みの中には、ずいぶんときつい毒がまじっているものがあると、改めて思う。
甥が明日帰省するので、一日早いけれど、本日夕食は鰻丼。ついでにう巻き付き。一応、日本産である。とにもかくにも、まずは一区切り。本日は、勤務校の終業式の日でもあった。明日からは、夏季補習やら、進路指導やら始まるけれど、とにかく今日は一区切り。連日の猛暑で、少々バテ気味だったけれど、気分的には一息ついた思いである。

【08年7月20日】
6時過ぎ。「歩き」に出る。すでに、日射しは、暑い。ちょっと考えることがあったので、それを思いながら歩く。一汗かく。両肩が、酷くこっている。昨日、頑張って原稿を打ち込んだ影響かと思う。エレキバンがあったので、片側2つずつ両肩の筋肉に貼り付けておく。しばらくすると、多少楽になったような気がする。朝食の準備を終え、食べる。洗濯を済ませる。ベランダに干す。暑い。今日も、一日猛暑状態になるのではないか、とちょっとうんざりする。
甥が借りてきたDVD「続・三丁目の夕日」を見る。30年代の町並みや風俗が懐かしい。映画の成功の大きな要因は、この当時のイメージの再現性の高さということになるのだと思う。それをベースとして、割とパターン通りのストーリーが展開する。このパターン通りというのが、この映画の強みだと思う。安心してお話を楽しみながら、再現された高度成長前の日本の中に身を浸してゆけるわけだ。
甥の部屋のエアコンは、完全に止まってしまったようだ。電気系統の接触不良か、あるいはモーターが駄目になったのかもしれないと思う。修理に出した方が良いのか、新しく買った方がよいのか、すでに10年以上たったエアコンだから、微妙である。とりあえず、甥は扇風機を買いに行った。ついでに、明日の夏の鍋パーティーのための材料を調達してくるらしい。明日は、昼前から外出。ちょうど、免許更新の講義が午後からあるので、タイミングが良い。夕方くらいまでは、帰宅を控えておいたほうが良いだろう、と思う。
午後は、講習のための待ち時間状態となる。講習会場が遠いので、それが鬱陶しい。今日は、京都の祭・行事についての講習。どのような内容になることだろうか。興味はあるので、内容自体は期待したいと思うのだが。

【08年7月18日】
朝方、夢うつつという言葉があるけれど、寝ているのか起きているのか、自分でもよく分からない状態で、ベットに横になっている。薄く蛍光灯を灯しているのだけれど、その光がいつの間にか消え、何度も夢の中に出てきた、四畳半一間ほどの粗末な下宿にいつの間にか座っていて、がたがたの戸の横にぶら下げられた郵便受けに突っ込まれていた郵便の束を仕分けしながら眺めている。どうでも良いような内容のものやら大切な内容が書いてあるだろう書簡やらを、ゴミ箱に捨てたり、別の場所に置いたりしている。ふと気づくと、目の前に蛍光灯の光が、ぼんやりと見える。エアコンが切れていて、寝室は蒸し暑い。枕元に置いたリモコンのスイッチを入れて、涼しい風が降りてくるのを感じながら横になっている。目の前に、全身真っ白い毛のジェニビーがごろりと横になっている。白い丸太のような姿である。苦しそうに息をしている。いったいどうしたのか、と少し慌てるが、そう言えばここ数日食事を与えていないことに気付く。なぜ食べさせていないのかは分からない。ただ、衰弱した姿が目の前で激しく息づいているのを見て、何とかしなければと思う。気が付くと、すでに夜闇は去っていて、カーテンの隙間から日の出前だろう白けた空間が覗いている。
今日は、母が帰郷する。11時過ぎにタクシーを呼び、甥と三人で京都駅まで。割と美味しかったという京都駅構内の回転寿司屋で昼食をとる。それほど美味しくはない。甥も、田舎で食べた方がずっと美味しいという。ただ、値段は意外と安かった。甥はそのまま大阪へ。私は、新幹線乗り場で母を見送って、そのままあちらこちら買い物に歩く。
竹中氏から頼まれていた『翔臨』の初稿原稿を一気に書き上げる。原稿用紙にして11枚ほど。母を見送りに行くまでの時間と、買い物を終えて帰ってきた午後の時間を使って書く。インターネットと俳句について。かなり好き放題に書いて、とりあえず竹中氏にFAXで送る。今後、原稿用紙11枚半に分量を調整しなければならない。すでに、何日か前から、通勤の途上、道を歩きながら原稿の内容をあれやこれや考えていたので、途中思いついたことなどを交えつつも一気に書いた。楽しい数時間であった。
夕方、今日も又、軽く焼酎を飲む。まだ日は明るいのだけれど。明日、明後日は免許更新の為の講義を大学に受けに行く。北区の方まで行かなければならないのが少々面倒くさい。

【08年7月18日】
内容は書けないけれど、ともかく今日は惨憺たる一日であった。こんなに一気に色々な事が重なって起こると、本当に疲れ切ってしまう。土砂降りの雨の中を、同僚の車で送ってもらったことが、唯一有り難いことだった。
帰宅後、雨は上がり、こちらはオンザロックで焼酎を飲んだりしている。まだ、外はずいぶん明るい。親戚の葬儀のお返しが、郵パックで届いている。お菓子やら果物やら缶詰やらがたくさん入っている。葬儀の関係で、滞在の日にちを延ばしていた母が、明日帰郷する。この一ヶ月、本当に助かった。日曜日から、また男所帯に戻ることになる。甥は、26日までこちらにいて帰省の予定。私は、お盆まで仕事が続く。
『古典落語』の本を読んでいる。「なめる」「もと犬」「道具屋」「小言幸兵衛」。通勤の片道で、そのくらいは読める。面白い。風俗的な面はさておき、その滑稽の質において古さを感じさせないのが、凄いと思う。こんな面白い本に出会えると、本当にありがたいと思う。そして、これらの演目を、志ん生の落語で聞いてみたいと思う。
夕食の準備を終えて、母はソファーでくつろいでいる。甥は、先程買い物に出たきり、まだ帰って来ない。私は、ちょっと焼酎の酔いを感じながら、ぼんやりとしているような有様である。

【08年7月14日】
日曜日。「カルミナ・ブラーナ」本番。本当に久しぶりにマチネ(昼公演)。夜のうちに、衣装など準備をして、8時過ぎには自宅を出る。9時過ぎ、京都コンサートホール集合。声出し、直前練習の後、ゲネプロ。病気のために昨年末の「第九」のステージに乗れなかったので、一年ぶりのコンサートホールの舞台に立つ。照明が眩しいな、と思う。先日来の腹痛が、いまだに時折やって来るので、途中でステージを降りる羽目になったらどうしようか、などともチラチラ考えながら、歌う。ゲネプロのステージに立つことが、本番を迎えるための最後の関門、条件となっているのだ。長いゲネを終え、疲労で足元がふらふら状態で楽屋へ移動。大急ぎで軽食を取り、着替えて、再び練習会場へ集合。本番直前の最終確認の練習を終えて、準備はすべて終了。練習会場前のホールに移り、整列して、本番会場への移動を待つ。本番の時間は、滑るように過ぎていく。。
本番を終えて、再び練習会場へ集まる。興奮で、会場全体が華やいだ雰囲気に充ち満ちている。個人的には、終わってほっとしたという思いが強い。ともかく、再び合唱のステージに立つことが出来た、と思う。合唱団の解散式を終えて、楽屋に戻り、着替えを済ませて、会場出口へ向かう。いつものメンバーが、出口を出た辺りで待っていてくれる。この後は、いつもの「あじさい」で二次会。日曜定休なのに、無理をお願いして開店してもらったのだ。私と、T氏の奥さんはタクシーで、その他のメンバーは一汗かくつもりで、歩いてお店まで向かう。「あじさい」は9時までの約束だったけれど、私はまだ体調が不安定なので、1時間ほどで引き上げる。頂いたチケット代は、そのまま飲み代として残った人に預けて行く。地下鉄の駅まで歩く。行く手の御所の緑が、夕日を受けてすごい密度で茂っているのが望める。もう暑くはない。
月曜日。所用のため、午後年休をとるはずが、結局2時間も年休時間に食い込んで仕事をかたづける。金曜日、休んだつけという事になるのかもしれないが、ともかく忙しかった。本来なら、そのまま帰宅する事になっていたのだが、さらに仕事の延長で、職場を退出して、四条烏丸まで届け物を持っていくことになる。暑さにうだって、帰宅したのが5時過ぎで、何の為の年休だったのかと、ソファーに凭れてぐったりしながら思う。甥も、早めに帰ってきていたので、用事は甥の方に任せて、こちらは休息。その後、持ち帰りの一仕事。皆、ぐったり状態で、夕食は買って来た寿司で済ませる。今夜遅くには、東京から親戚が来ることになっている。
『澤』7月号。読み進む。「田中裕明」特集。こんなに多くの俳人の関心を引き続ける、この俳人の魅力の大きさを改めて思う。生前の田中氏をお見かけしたのは、2度。1度は、茨木和生氏が主催した北琵琶湖吟行の時、ご一緒したこと。遠目に見るだけで、話をする機会はなかった。京都駅構内で皆が解散する際に、茨木氏が飲みに行くか、と誘われたのを、口元に笑みを浮かべ、はいと言って受けておられる姿が記憶に残っている。二度目は、祇園の「米」さんの出版記念会の席上。娘さんを連れて来ておられて、Gパン姿の飄々とした姿が、印象的だった。娘さんを可愛がっておられるな、という印象を持った。その2度だけだった。句集『先生から手紙』『夜の客人』は、書店で購入した。最初は、とらえどころのない句という印象があったけれど、結局今までずっと引かれることとなった。

【08年7月12日】
金曜日。体調不良で、一日休む。今週は、色々な仕事が重なって、朝から晩まで休み無し状態で、結局へたばってしまったらしい。無理をしたくないと思いつつも、無理をしなければ仕事が回らないので、こんなことになるのだろう、と思う。一日と一晩休んで、どうにか7割方回復する。以前、同じ状態になったときには、ひどい苦痛(今まで味わった痛みの中で2番目か、3番目くらいのものだった)のために体がショック状態を起こして、体温が一気に35.5度くらいに下がり、冷や汗がだらだら流れて、動けない状態になった。幸い薬をもらっていたので、それを飲んで4時間ほどじっと横になっていたら、なんとか平常に服したことがあり、今回はその時の事を思い出して、薬を飲んで休む。痛みは以前ほどではなかったけれど、それでも落ち着くのに一日と一晩かかったことになる。気を付けなければ、と思う。
甥は朝から学校へ練習に。午後は、京都コンサートホールで開催される演奏会を、友人達と聴きに行くらしい。安い学生券をあらかじめ何枚か買っておいて、誘って出かけることにしたらしい。先日、高校生の時から教わっている指導教官から、演奏について随分褒められて、一層やる気を出しているようだ。
杉浦さんから最新の『quatre』を送っていただく。今号のテーマは「食卓」。会員さんの1句「美しき瓶立ちあがる昼休み」中田美子、「花冷えのドレッシングのみどりいろ」上森敦代、「トーストを二枚並べて囀れり」杉浦圭祐、「梅干を爆弾と言う子等のいて」金山桜子。杉浦さんの「風の記」(「郷里3」)は、身内の入院・手術のことに触れておられて、身につまされるものだった。『quatre』は着実に発刊されている。我が『鼎座』の方は……。『蕉門の人々』読了。「史邦」「木導」「一笑」と読む。「木導」「一笑」ともに、蕉門の人々の中では、あまり名を知られている俳人とは言えない人たち。今回、初めてその作品を読んだけれど、なかなか個性的で面白かった。「闇の夜になの花の香や春の風」木導、感覚的に面白い句が多い。相撲の句も珍しいような気がした。「なまなまと雪残りけり藪の奥」一笑。平凡な作も多いそうだけれど、えり抜きの句はやはり面白い。橋本淳一郎『時間はどこでうまれるのか』。面白い。相対論・量子論をもとにした時間論ということだそうだが、そんな物理の世界など全く門外漢の者が読んでも、とても面白い。様々に想像力を刺激される内容で、読みながら、あるいは読み終えて、この世界というものを改めて考えてみる気持ちにさせられる。
結社誌『澤』7月号は、「田中裕明」氏の特集号。島田牙城氏の掲示板で、それを知って、『澤』俳句会にメールを入れ、1部譲っていただく。送料込みで1200円。二日後には、手元に届く。さっそく、手書き10限定の処女句集『山信』の写真版を読み、小澤氏選の「二百句」を読み、森賀まり氏との対談を読む。

【08年7月6日】
「すき句会」。『はしだて1号』はガラガラ状態であった。橋立の海開きは7月1日に執り行われ、その時の句も本日の句会には出ていたのだが。さすがに、まだまだ夏のシーズンは遠い。いつもの通り、車中吟。さらに、楽譜を持って来ていて、合唱の歌詞を憶える。なかなか厳しい。宮津で乗り換え。サッカーらしい集団が、二グループ乗り込んでくる。すでに練習か、試合を終えた雰囲気である。そういえば、早朝の「歩き」をしているとき、まだ6時前なのに、小学生や中学生らしい体操服姿の子達の姿を見かける事がしばしばある。ある時は、そんな時間帯なのに、グランドで本格的にノック練習をしている少年野球団の姿を見かけたこともある。ずいぶん熱心だと思いつつも、この子供達は一体何時に寝て、何時に起きていることだろうか、と考える。句会の参加者は、今回も若干少なめ。一人10句投句、10句選句(うち、特選3句)。宿題は「夏の鳥」全般。「ほととぎす」「翡翠」「葭切」「老鶯」などの出句がある。5時ぎりぎりまでの句会。
句会が終わった頃、奥様が帰って来られる。Mさんを交え、4人でしばらく四方山話。主に、亡くなった犬のこと。Mさんも、飼い犬を亡くしたことがあり、その体験談などを話される。奥様にとっては、まだまだ辛い思い出のようだ。岩城先生と私は、発泡酒を飲みつつ、黙って話を聞いている。電車の時間が近づいたので、Mさんに車で送っていただく。
帰りの電車の中では、発泡酒を飲みつつ(久しぶりに、350ミリリットル缶を二缶飲む。翌日になって、腸の調子が若干変だけれど、以前ほど妙な状態にならないのがありがたい)、『蕉門の人々』を読む。「去来」の章を終え、「丈艸」の章に入る。昼が長くなっている。6時前の電車に乗り、福知山を越えても、まだ車外は明るい。青田と青葉の山々の暮れていく情景が窓外にいつまでも見えていて、本をよみさしてはそんな情景をしばらく眺めたりもする。9時前、帰宅。竹中さんから電話が入っていたという。甥は、結局体調不良で天理行きは中止したそうだ。大学の前期試験が近づいているようで、ドイツ語に四苦八苦しているようだ。テレビで、映画『ゲゲゲの鬼太郎(「きたろう」と入れるとちゃんと漢字変換できるとは……)をやっていた。あほらし、と思いつつも、つい最後まで見てしまう。妖怪というのは、なかなか楽しいものだ。
日曜日。午前中は、持ち帰り仕事を済ませる予定。午後は、ミューズのレッスン。男性陣の間に危機感が広がっていて、午前中に自主練習をやるらしく、昨夜そのための電話連絡が入ったけれど、さすがにそれに参加する余裕はない。

【08年7月5日】
金曜日。お金を払いにだけ、レッスン会場に出かける。すでに時間が9時近くなっているので、もう練習には参加出来ない。チケット代金を払い、本番の録音テープを1巻購入予約をして、帰る。練習会場から、歌声が漏れ聞こえる。
いつもの店で、朝食用のパンを買い、蒸し暑い中を近鉄の駅へ向かう。普段の練習時間より早い時間帯の電車で帰る。人が多いな、と思う。車中で、阿川弘之著『大人の見識』読了。海軍と天皇、英国と武士道、のような話。英国関係の本をちょっと読んでみたい気になる。
土曜日。よい天気だ。朝から蒸し暑い。5時過ぎに「歩き」に出る。1時間ほど歩く。今日は、丹後の句会の日。ここしばらく、ほとんど句が出来ていない。その余裕もない。またまた、京都駅、車中が勝負の場となりそうだ。
木曜日のコンサートの夜。結局、甥は打ち上げの後、帰宅せず。カラオケ、さらに同じパートの人の部屋で10人の雑魚寝状態となったそうだ。翌日、眠そうな様子で帰ってきたとは、母の言。こうやってちょっとずつ「大学生」になっていくのであろう。今日は、天理市へコンサートを聴きに行くらしい。忙しいことだ。

【08年7月3日】
木曜日。すでに午後10時になっている。普段なら、もう寝室の方に引き上げているのだが、今日は先程大阪から帰ってきたばかりで、やっと一息ついたところだ。今夕、甥を含む音大生のコンサートが開催され、それを聴きに行っていたのだ。郷里からも、弟夫婦が高速を車で飛ばしてやって来た。こちらは、足の状態が余り良くない母のために、タクシーと新幹線、さらにタクシーの乗り継ぎで会場まで出かける。
演奏会は、なかなか聞き応えのあるものだった。特に、休憩を挟んで後半の演目が良かった。甥も、きびきびと動き、自信に満ちた演奏だった。ネクタイ姿が少々様にならないという点を除いては。新幹線を降り、京都駅頭に立つと、そこは路面に水の厚い皮膜が出来る程の豪雨だった。タクシーに乗り込み、土砂降りの中をのろのろ、走る。時折、空の一角がぴかりぴかりと光っていた。
帰宅して、一休みすると、やはり疲れを感じる。昨夜は、久しぶりに後遺症のひどい腹痛が起こって、薬を飲んで8時くらいからベットに横になって過ごし、その影響が今日一日残っていて、さらに4時間の授業と2種類のテスト問題作りと就職関連のデータ打ち込みとに追われ、若干バテ気味であったのだ(バテ気味状態で仕事に追われ、その結果ここしばらくなりを潜めていた後遺症が顕在化したのか……)。甥は、コンサートの打ち上げで今夜も遅くなりそうだ。母も、もう眠そうである。もう、休まなければ、と思う。