日々録
日記のようなものを書いてみようかな、と思いまし た。             
備忘録を兼ねて、日々思ったことを書き付けておこうか、とい う事です。             
一人言めいた内容もありますが、興味があれば、お読み下さ い。

      
09.12「日々録」 10.1「日々録」 10.2「日々録」 10.3「日々録」 10.4「日々録」

【10年5月31日】
日曜日。「醍醐会」の日。今日が、京大会館を会場とする最後の「醍醐会」となる。テーマは、「私にとっての俳諧」について。3人の会員さんと1人のゲストの方(ゲストは川柳作家のHさん。俳人とは違う視点で「俳諧」についてお話をしていただく)にレポートをしていただく。芭蕉の発句を話題として話をされる方、山本謙吉の「挨拶・滑稽・即興」の説を敷衍しつつ、それとは違う「俳諧」について自説を展開する人、自らの俳人としての豊かな経験の中から抽出された「詩」の一部としての「俳諧」について話される方、そして川柳作家のHさんからは、自作を紹介しつつ、自己の創作動機とその中に込められる「俳諧性」についての話など。話題自体が大変複雑なものであり、その点で核レポーターからの多様な意見はとても興味深く面白いものであった。
二次会は遠慮して、Sさんとタクシーで京都駅まで。喫茶店に入って、話す。句集の話、雑誌のこと、病気の話なども少しする。新幹線の改札前で別れ、こちらは駅ビル内のパン屋で朝食用のパンを買って帰宅。
甥は一日自宅にいたらしく、のんびり過ごしたようだ。
夜、なんとなく寝付かれなくて、輾転反側状態。浅い眠りの中で、なぜか学生時代の試験の夢を繰り返しみたりする。少々疲れて、目を覚ます。
出勤。今日は、職場は「ノー残業デイ」だそうだけれど、結局退勤したのは普段より遅いくらいだったのは、皮肉なことだった。


【10年5月27日】
高校時代の同窓会の連絡葉書が来た。ずいぶん久しぶりのことだ。文面を見ると、H17年に同窓会が開催されたようだけれど、その時は案内状は来なかったので、全く知らなかった。その席で、5年後に会うということになったらしい。冬に帰省した折、高校時代の友人と出会うことがあって、その時に住所なども知らせたりしたのだが、それが幹事さんの方に伝わったのかも知れないと思う。もちろん、参加するつもりだ。この夏に、楽しみが一つ増えた。
今週も忙しい1週間であった(明日もう一日残っているのだが……)。一人の人間が、一日にこなせる仕事量というのは、自ずと限界があるのだろう(もちろん、個々の能力差によってその容量に違いはあるのだろうが)と思う。今週は、かなりぎりぎり状態であった。やりこなした後の達成感と安心感と満足感はあるにしても、同時にそれなりに疲れる。などと言いつつ、この後も持ち帰り仕事をひとつ済ませなければならないのだが。……愚痴、である。
俳人の矢野景一氏から著作『わかりやすい俳句推敲入門』を送っていただく。結社「杉」の同人の方である。「角川」の俳句通信講座の講師さんとしての経験を元にまとめられた一冊のようだ。ゆっくり読ませていただこうと思う。引用句の中に、岩城先生の句や、清水さんの句、私のものなども引いていただいているようである。そんな風に自作を使って頂けるのはありがたいことだ、と思う。


【10年5月22日】
日曜日。一日、雨であった。一度も降り止むことなく、時折は激しい降りになったりもして、終日の雨であった。
一日、家籠もり。甥も、今日は一日、家。
弓削孟文著『手術室の中へ』読了。麻酔医の話。手術に関する様々な検査や手続きや、その中での麻酔医の役割について。全身麻酔についての、詳しい話などもあって、そう言えばと、2年半前の入院・手術を思い出しながら読む。
伊藤智義著『スーパーコンピューターを20万円で創る』読み始める。重力計算に特化された演算能力抜群のコンピューター開発の話。通常、スパコンの開発には億の単位の資金が必要になるものを、市販の機材を用いて20万で開発してしまったというドキュメンタリー風の内容。こういう話は、割と好きである。
早めに風呂に入り、甥の作った夕食を食べ、のんびりしてしまう。


【10年5月21日】
土曜日。6時前、「歩き」に出る。すでに、日は昇っている。半袖姿で歩いていても、全く寒くない。かえって、気持ち良いほどだ。近所を、1時間ほど歩く。家々の庭に、色々な花が咲き揃っていて、怪しい人と思われない程度に見物しながら歩く。
7時過ぎ、帰宅。買って来たもので朝食。最近、土曜の「歩き」の後は、このパターン。手抜きではあるが、時には普段とは別のものも食べてみたいと思う。洗濯第一弾を済ませ、一息ついた頃、甥が起き出してくる。こちらが洗濯第二弾を始める頃には、甥は朝食を終え、洗濯が終わらないうちに、練習のため大学へ。こちらは、その後持ち帰り仕事を一つ。
金曜日。夕方、病院へ。薬を出してもらうために、新しい所に通うことになる。一度、帰宅し、「ベル・レク」の練習に市内まで。四条界隈、ビルの背後にまだ暮れきらない空が広がっている。昼が長くなったと思う。今回の会場は、練習時間が他の会場に比べて短く制限されているので、大急ぎで全体を通して唱うことになる。耳が少し変なのか、自分が少し低いところで唱っているように思う。他の声を聞きながら微調整をするのだが、なんとも違和感が残ってしまう。
9時前に練習終了。「くまざわ書店」に立ち寄って、本を2冊ほど買って帰宅。
一駅前で下車。夜の町を歩く。月がぼんやりと空に浮かんでいる。住宅地を分断するように流れる水路を渡るとき、橋の下から牛蛙のくぐもったような声が聞こえる。
「げげげの女房」が面白い。もちろん、普段は見ることが出来ないので、土曜日にまとめて見る。今日はうっかり、前半部分を見逃してしまうが、後半はしっかり見る。登場人物たちが皆ぴたっと決まっていて、楽しめる。


【10年5月20日】
4時半過ぎに起床。3時頃から、なんとなく寝付かれなくて、輾転反側状態であったが、もう眠れないと思って、起床。それが、悪かったのか、うっかり部屋のドアに左足を思い切りぶつけてしまう。その当座、足先が痛かったけれど、しばらくすると痛みが治まったので、気にしないで出勤。一駅前からの歩きも、特に何の支障もなかった。それが、昼過ぎくらいになって、急に痛み出す。ずきずきと言うほどではないが、かなり痛む。昼の立ち番を終えて、保健室に行き、湿布薬を貰い、貼る。午後は、授業1時間と大掃除の監督を終えて、その後は返って来たテストの採点に集中するが、湿布で冷やしたところがずきずき痛む。腫れなどはなかったので、酷いことにはなっていないと思うけれど、かなり痛い。冷やしたのがまずかったのだろうか、と気になるが、夕方になり、採点を終える頃になって、ようやく痛みが和らぐ。速やかに、退勤。帰宅する。
武満徹・大江健三郎共著の『オペラを作る』を読む。初めて読んでいるつもりで、途中から数ページに渡り、細かい字での書き込みがあって、どうやら一度読んだことがある本だと気づく。全く憶えていなかった。なんというか、狐につままれたような気分である。再読ということになるが、結構面白い。実際にこの二人によって、オペラが作られたとは聞かないので、この対談は対談として終わったのではないかと思うのだが、「オペラ」を核とする二人の話し合いは、音楽や物語、世界に対する構想力や、超越的なビジョンなど多方面にわたる内容で、とても刺激的なものであった。


【10年5月18日】
日曜日。丹後「すき句会」の日。今日は、岩城先生の奥様の運転する車に便乗させて頂いて、丹後まで。新緑の丹波高原は、光が眩しい。途中の、道の駅で地産の野菜をしこたま買い込んで、丹後へ。天橋立駅前の店で、昼食は海鮮丼を食べる。魚介類が多くて、たいへん美味。舞鶴産のトリガイも注文。季節のもので、立派な本体である。肉厚で、しこしことおいしい。岩城先生のお宅へは、ずいぶん早く到着。句会の準備を済ませて、それでも時間が余っている。宿題の「除けの歌」と「紙下げ虫」は、事前にちゃんと作っておいたので、席題の「新茶」をゆっくりと作る。ちなみに「除けの歌」は、虫除けの歌。「紙下げ虫」とは「蛆」のことである。なんとも、奇妙な宿題であるが、ずいぶん面白い句が、句会では出てきた。
1時過ぎから、句会。5時前まで。帰りも、車に乗せていただけるので、気分的には余裕がある。
夕日がきれいな中を京都へ。高速自動車道は一部地道へ降りなければならないけれど、全体に交通量が少なくて、快適な走り(運転は、もちろん奥様なのだが)。日が落ちて、暗くなる頃に京都着。沿道の蕎麦屋さんで、出石蕎麦をご馳走になる。手打ち蕎麦で、注文してから湯がくという。美味である。広い窓から暗い外が望めるが、細い月のごく脇に明るい星がひとつ輝いていた。珍しい情景である。
月曜日、火曜日。試験直前ということもあるけれど、忙しい。
今日も、この後は、持ち帰り仕事を一つ。少々、疲れる。


【10年5月15日】
金曜日。「ベル・レク」の練習。今回も、京都市の北まで出かけなければならない。大幅に遅刻してしまう。パート練習は参加出来ず、合同練習から。練習が進んでいるところへ到着して、練習に参加したのだが、高音パートの出来が良い。その迫力ある歌声に、圧倒されてしまう。「ベル・レク」は、今回で4回目になるだろうか。第1回目の井上道義氏の指揮による演奏が、自画自賛というわけではなく、かなりの出来であったが、あるいは今回はそれを越えるかもしれない、と思う。
9時過ぎまで、集中して練習。疲れるけれど、充実感がある。明日から、団としては京北町で合宿。土曜日に参加出来たら、半日でも参加しようと思ったのだが、無理であった。
土曜日。5時から「歩き」。防寒をしっかりして歩く。帰宅後、朝食を取り、掃除・洗濯の後は、昼過ぎまで持ち帰り仕事。結果として、合宿への参加はやはり無理であった。仕事が全部は終わらなかったけれど、「歩き」のノルマが満たされていないので、電車で東福寺まで行き、その東福寺境内などを歩く。方丈の枯山水の庭なども見学する。見学者がずいぶん多い(自分もその一人ではあるが)。縁に腰掛けて、庭を眺めるけれど、ちょっと庭の意匠がきつくて、もう少しシンプルな山水でも良いのではないか、などと思う。とは思いつつも、一気に15句くらい句作。東福寺を出て、その後湧泉寺まで足を延ばすが、ここもずいぶんな人出なので、中へは入らず、引き返す。この時期、涅槃図の公開が行われていたのかもしれないけれど。
帰宅。森英介著『風天 渥美清のうた』を読む。「風天」とは、渥美清の俳号である。渥美清が残した200句ほどの作品に関して、生前彼に関係した人達の連続インタビューをまとめたもの。俳句愛好家としての田所康雄の姿が、なぜか懐かしい。人口に膾炙した風天句「お遍路が一列に行く虹の中」、素敵な一句であると思う。
明日は、丹後「すき句会」。相変わらず、作品の準備は乏しいけれど、楽しみである。


【10年5月12日】
月曜日、午前中。金曜日に受けた定期検診の結果を聞きに病院へ。血液検査、CTともに、特に異常は見られず、ということで、ほっと一安心。
その後、出勤。あとは、ともかく忙しい。
火曜日、水曜日。トイレに行く暇も無いほどに忙しい。
今日は、とうとう12時間ぶっ通しで仕事。
げんなりして、帰宅。遅い夕食を取り、一息入れたら、さらに持ち帰り仕事を一つしこなさなければならない。
ちょっと体調を崩していた甥が、復活。今日は、夕食を作ってくれていた。ワンタンスープと炒めもの。ちょっと刺身付き。なかなか美味しかった。
さて、そろそろ仕事を始めなければ……。


【10年5月9日】
土曜日、午後、職場へ。夕方まで仕事。昼間は暑いくらいの陽気だったが、夕方日が傾いてくると、気持ち良い涼しさになったので、駅まで歩く。いつもの駅より、もう一駅遠くまで。職場を囲む麦畑が、うっすらと金色に染まり始めている。
「歩き」ついでに、ブック・オフにも立ち寄る。面白そうな句集が何冊かおいてあったのだが、いずれも高くて、買うことがためらわれる。最近、句集の掘り出し物が見つからなくなった。残念である。
通勤車中では、小澤征爾と武満徹の対談集『音楽』を読む。日本の西洋音楽に対する違和感(特に、その音の作り方について)が語られてある所などが面白い。会場の問題から日本の風土(自然から精神まで)の問題まで、幅広く語られてある。
夜、カレーライス。ごった煮にカレー粉を「ぶちこんだ」ようなものとなる。簡便でよい。
夜、『芭蕉と大津』読む。いつの間にか、寝入っていた。
夜中、目を覚まし、しばらくテレビを見る。真夜中なのに、アニメなどやっている。あとは、韓流ドラマとか、バラエティとか。
二度寝、三度寝の揚げ句、ちゃんと目を覚ましたのは、6時前。朝の「歩き」は、少々疲れ気味なので中止。
朝食は、昨夜のカレーの残り。遅く起きた甥も、カレー。朝食を準備する手間を省略。
午前中は、昨日の持ち帰り仕事。結局、半日かかる。
「母の日」ということで、郷里に二人分のカーネーションが届くように手配しておいたのに、まだ届いていないらしい。昨年の花屋は、勝手に数日前に花を配達してきたので、今年は別の花屋に依頼したのだけれど。


【10年5月8日】
金曜日、午後。検査のための通院。夜、「ベル・レク」の練習へ。会場が、京都市の北部にあるので、遠い。
珍しく4パートに分かれての練習。今回と、次回とはこの形式で練習が行われるようだ(その分、会場費がかかるわけだが)。8時過ぎから、合同練習。いつもの会場に比べて、ゆったりと広いステージで唱う。1時間余りをかけて、全体の通しを行う。8部合唱の部分などは、まだなかなかなのだが、それでも通し練習が出来る状態にまではなったと思う。来週末は、京北町で合宿が予定されている。私は参加出来ないけれど、これでまた一皮剥けることになるだろうと思う。今回は、4パートのバランスが悪くないのではないか、と思う。特に、テノールのレベルが、ここ数回の公演を通じて、目に見えて上がってきたと思う。
土曜日。5時過ぎ、起床。「歩き」。外に出て、廊下から西を見ると、山並みの鞍部から朝霧が溢れでようとしているのが望める。半袖で歩いても、さほど寒くない。そのまま、1時間ほど近辺を歩く。
午前中は、持ち帰り仕事を済ます。
小川洋子『博士の愛した数式』読了。面白い小説ではあったけれど、設定や筋の展開にちょっと違和感のようなものをずっと感じながら、読み終える。80分しか記憶が保てないという障害を持つ数学博士とその義姉、そしてその家に雇われた家政婦さんとその息子との4人の物語。特異な設定で、どう話が進んでいくのか先読みが出来ない点で、作者の物語作家としての力量が発揮された一作。何回目かの本屋大賞に選ばれたのだったか。
梨木香歩『西の魔女が死んだ』読了。書き出しの数行に問題があるように思ったが、全体としてはちょっと童話風の成長物語で面白かった。作品の背後にある詩情が、感傷的なものと一線を画している点で、読み応えを感じた。
2冊とも、高校生が比較的良く読む本ではないか、と思う。物語のための物語風な点(パターン化された部分)も、若い人達に読み通してもらうための作者の工夫かと思うと、あまり気にはならなかった。