日々録
日記のようなものを書いてみようかな、と思いました。
備忘録を兼ねて、日々思ったことを書き付けておこうか、という事です。
一人言めいた内容もありますが、興味があれば、お読み下さい。
06.1「日々録」
06.2「日々録」
06.3「日々録」
06.4「日々録」
06.5「日々録」
【06年6月26日】
杉浦さんからメールをいただく。「順番に骨を拾いし桜かな」と「重き扉が電気で閉まる花曇」の2句は、墓移しとは別の時の句と教えていただく。こちらでそんな風に思いこんでいたのだった。でも、それも良いかな、などと勝手に思う。
梅雨の晴れ間の一日。風が吹くと涼しい。無ければ蒸し暑い、そんな一日だった。7時過ぎに退勤。帰り道、いつもの書店で角川『俳句』を購入。車中でちょっと読む。宇多喜代子さんの50句は、大変面白かった。新しいと言うわけではないが、既成品の臭いが感じられない高純度の句世界にすっぽり浸ったような気持ちになる。こんな作家は、本当に得難い存在と思う。車中とは言え、時間を忘れる瞬間はあるものだ。
日曜日。午後一杯をミューズの練習。第一曲から丹念に練習を行う。一番心配だった終曲は、まだまだとは言え、全体に思いが歌に籠もり始めたという感触を感じる。それだけ、皆真剣になってきているという事なのだろう。練習は、あと2回。そして、オケ合わせ、本番前のゲネプロ、そして本番という事になる。どこまで行けるか、どこまで『創生記』の世界へ迫れるのか、と思う。
最近、テレビのニュースを見るのが本当に嫌になっている。日本という国が、ますます得たいの知れない物に変貌していくのが、様々な事件の渦中の人物達を通じて、生々しいという形ではなく、捕らえ所のない薄気味悪さとともに伝わってくるように思う。「人間」が気持ち悪い、そんな風な感触である。
【06年6月24日】
「里俳句会」から『里』NO39を送ってくる。芝不器男俳句新人賞の選者特別賞を受賞した佐藤文香氏の特集号。作品100句も載っていて面白く読む。俳句甲子園の経験者とのこと。若い才能が育っているのだな、と思う。昨年の単位互換制の鴨川吟行会に参加しておられた「マフラー」の句を作った人(句会で座った席まで憶えているのに、お名前失念……)も、選者特別賞を受賞されたようだ。
『quatre』NO23を送っていただく。今号のテーマは「夜」。4人が4人の持ち味を生かした句を出しておられる。「朧夜の遠き線路のゆがむ音」中田美子、「墨色に家も若葉も鎌の月」金山桜子、「真四角に老いてゆく街春の月」上森敦子、「さまざまなひとびとが夜桜をゆく」杉浦圭祐。杉浦さんの『風の記』は墓移しの話。大変面白かった。読み終えて、ちょっと感動さえした。「作品20句」の中でも、それを素材に数句作っておられる。「順番に骨を拾いし桜かな」「春嶺や五体に満たぬ骨を掘る」。「重き扉が電気で閉まる花曇」も火葬場の景だろうか。
名村早智子さんから『玉梓』7・8月号を送っていただく。会員の皆さんが、楽しんで俳句を作っておられる姿が彷彿とする。名村さんの句から。「山桜咲く山の木に囲まれて」「別館の文人展へ落下踏む」「紙風船母には母の唄があり」「ゆつくりと吹いて大きなしやぼん玉」。上手いな、と感心する。
金曜日。午後出張。一端帰宅してからミューズの練習に京都市内へ。出席名簿に練習参加回数クリアの印が付いていた。これで、ステージに乗る権利取得。前回のレッスンに比べ、今回の方が良かった。古い会館を借りての練習。年期の入ったステージであった。帰宅すると留守電が入っていた。再生すると、自宅から。東京の叔母が、わざわざコンサートを聴きにきてくれるとのこと。ありがたいことだ。
サッカーのワールドカップ。日本は予選リーグ敗退。新聞の一面に、跪いて涙する中田英寿の写真が大きく掲載されてあった。個人的には、中田に対してあまり良い印象は持っていなかったにもかかわらず、この写真にはとても胸打たれた。しばらく目を離すことが出来なかったほどだった。
【06年6月18日】
日曜日。一日、自宅。とは言いつつも、6時から1時間ほど近所を「歩く」。小雨混じりの天気。気にしないで「歩く」。
午前中一杯、アマゾンで注文しておいた「デスノート」をまとめて読む。漫画、である。しかし、これが滅法面白い。とうとう現在刊行されている11巻まで読み終えてしまう。次巻は7月に販売。楽しみである。午後、『日野草城全句集』を最後から読み始める。『銀』『人生の午後』『旦暮』と読み進み、それから第一句集『花氷』へと戻る。才走った初期の句集より、病床の日常を詠った後期の作品の方が、個人的には面白い。朝が早いので、1時間くらい昼寝をして、その後夕方まで、加藤郁乎『閑雲野鶴抄』を読む。???。分からない。通して読みつつ、拾い読みという有様となる。
梅雨の晴れ間の一日であったが、結局一日自宅に籠もってしまった。夕方、ダンベルで筋トレ紛いの事をして、風呂に入り、ベランダ側のガラス戸を全開にして、涼んでいる。
夜は、サッカーがあるけれど、恐らく見ないだろうな、と思う。
【06年6月17日】
『鼎座』をお送りしている木割大雄氏から、第2期の『カバトまんだら通信』を一気に5号分送っていただく。赤尾兜子と兜子に関わる人々についての回想記と、折々の句作を紹介された個人誌。茜色の表紙が鮮烈だ。20頁に満たない小冊子ながら、読み応えのある内容で、5冊一気に読む。そう言えば、何年か前に、同じく木割氏の著作『南のくにに雪だるま』を読み、こんな取り組みをしている人がいるのか、と感心したことがあったのを思い出す。
金曜日。指揮者レッスンの日。藤岡幸夫氏のエネルギッシュな指揮。しかし、合唱団がその指揮に応えきれていなかった。忸怩たる思いで、練習を終わる。歌に思いを乗せる、という事が出来ていない。それが出来なければ、この『創生記』を歌う意味はない、とまで思ってしまう。ともかく、酷い出来であった。あと数回の練習で、どこまで歩いていけるのか、と思う。初演の時のあの緊張感と達成感を知っているだけに、不満が多い。練習とほぼ同時進行的にその日の分の楽譜が作られ、配布され、オケに楽譜が渡されたのが本番3日前、作曲された葛西氏は最後の2週間で5キロ痩せ、レッスン会場までの車の運転を心配した奥様が送り迎えをされた、という。皆、必死だったのだ、と思う。
土曜日。6時から走る。疎水沿いに50分ほど。朝は、涼しく、走り良い。青空は見えるけれど、天候の悪化を告げる絹雲がすでに現れている。洗濯を終え、とりあえずベランダに干す。どんどん雲の量が増えて来ているが、午後しばらくは保つであろう、と思う。『俳句研究』7月号を読み始める。黒田杏子氏の特別作品52句。旅の句が多いけれど、時には身辺をじっくり詠まれた句なども読んでみたい、などと思う。津田清子氏は、逆に身辺りの句という印象。大石悦子氏が新連載を開始された。『俳句研究』の企画物は、なかなか面白いな、と思う。
暑い1週間が終わる。そうでなくても、色々大変な職場なのに、まさに体力勝負の1週間、というところ。その職場にも、どうやら来週からエアコンが入るらしい。エコアイス方式のエアコンで、冷気がイガイガしているけれど、そんな贅沢は言っていられない。感謝、感謝である。それにしても、長いようでいて、あっという間に1週間が過ぎていく。
【06年6月12日】
日曜日、午後。久し振りに京都市内へ。「歩き」を兼ねて、三月書房へ本を買いに行く。5割から6割引の本の中に、これはと言うものが隠れている。三橋敏雄句集『しだらでん』、加藤郁乎詩集『閑雲野鶴抄』、『日野草城全句集』を購入。もう1冊欲しい本があったのだが、すでに別の機会に購入している恐れがあるので、控える。3冊をザックにいれると結構重い。そのまま、御所へ行く。以前「森とは違ふ冬枯れの京都御所」という変な句を作ったことがあったが、6月上旬の京都御所は、ちょっと森の風情があって、木下闇をぐんぐん歩く。大変気分が良い。出町輸入食品でコーヒー豆を購入し、そのまま鴨川河畔へ。ゆきやなぎが凄いほどの茂りようだ。大陸からの乾いた空気の中にいるので、日差しの割には暑さを感じないのがありがたい。
夜、9時過ぎには寝る。横になったら眠れてしまうのが、こわい。その後は2時間おきくらいに目を覚ます。途中、ワールドカップのサッカーの試合を少し見たりもする。5時過ぎに起床。寝足りた気がしないのはいつものことだ。7時前に出勤。『鼎座』第6号の発送の残りの分を近所のコンビニで出す。朝は、倦怠感がひどい。
8時過ぎに退勤。国語表現の準備に少々時間がかかった。帰りの車中で、三橋氏の『しだらでん』を読む。面白い。無季俳句を含む作品群。
【06年6月11日】
日曜日。空は、雲が重たい。昨日、丹後の「すき句会」。終了後、缶ビールをいただき、さらに帰りの車中でもビールを飲みつつ四方山話。気が付けば、缶ビールを5本も飲んでいた。普段は、飲んでも350ミリ缶1本で十分なので、ちょっと飲み過ぎ、であった。西舞鶴駅で、岩城先生が自宅に電話を入れられる。犬の具合が良くないとのことで、奥様に確認の電話。あまり良くないらしい。心配なことである。そう言えば、今日の句会でも、犬の句を1句出されていた。「凡の夏」というちょっと変わった歌い方の句であった。最近、犬の句が多いとのこと。
帰宅後、すぐ就寝。飲み過ぎで、いつも以上に何度も目を覚ます。しかし、10時過ぎくらいに、清水さんから電話があったらしいが、その時は全く気が付かなかった。朝になって、留守電で確認する。走ろうと思ったが、お酒が残っているのか、体が重く、中止する。昨夜は、ビール以外はお腹に入っていないので、空腹感はある。ご飯を炊き、おかずが何も無いので、困った時のカレーライス、と言うことで野菜カレーを作る。朝から、カレーである。簡単に出来、すぐに食べられ、結構美味。
『鼎座』第6号出来上がり。発送作業に入る。近所のコンビニで、宅急便、メール便を利用するが、あまり沢山一度に持って行くと迷惑なので、小分けにして、出しに行く。
現在、ある漫画にハマッテいる。それは、「デスノート」という作品。1500万部くらい売れている漫画ではなかったか。死に神が持つ「デスノート」(それに名前を書くとその人物が死亡するというノート)が人間に渡ったら、という荒唐無稽な話ではあるのだが、巧みなストーリー展開と個性的な登場人物達でどんどん読ませる。あまりの評判の良さで、とうとう全・後編の映画にもなってしまったらしいが、映画を見に行くつもりはないけれど、本編の漫画の方はなかなか面白い。以前、「沈黙の艦隊」という漫画にハマッテ以来のことだ。
【06年6月4日】
土曜日。久し振りにクラブ当番で出勤。3年生が引退して、1年2年による新体制での活動スタート。きびきびした動きで基礎練習に励んでいる。すでに、2年生がダブルスで府大会への出場を決めている。来週末がその府大会本番。
練習は昼過ぎまで。2時前に近所の喫茶店で遅い昼食を取る。帰宅の途中、色々買い物。『鼎座』発送用の封筒を大量に購入。とは言え、これまでと違い、新たに見つけた100円均一の店で買ったので1000円以上安くなる。ちょっと嬉しい。次いで、電気店に行き、プリンター用のインクを買う。現在使っているプリンターは、もう随分古い型式のものだけれど、B4版まで印刷可能なのでとても重宝している。部品の一部が外れたりしているのだが、まだちゃんと動く。ただ、印刷部を動かすプラスチック製のベルトがなぜこんなに細いのだ、と思えるほど細いのでこれが切れたらお終いだな、とも思う。もう、交換用の部品もあるまい。それにしても、インキの値段は、なぜこんなに高いのかと思う。ついでに、噂に聞いていた手回し式のシュレッダーも購入。大型の鉛筆削り風。体脂肪燃焼のため、2駅分歩き、近所のスーパーで夕食の材料を買う。美味しそうなハマチの「あら」があったので、早速買う。晩ご飯は、期せずして魚づくしとなってしまう。
邑書林から、久し振りに『セレクション俳人 行方克巳集』が送られてくる。第一句集『無言劇抄』、第二句集『知音』を読む。青年の句集と中年の句集、どちらもちょっと男臭い、そんな風な大雑把な印象。季語に対する思いの深さと、面白い角度での切り込みの句に心惹かれる。
日曜日、朝、歩く。涼しくて気持ち良い。歩きながら、『鼎座』第7号の短編のアイデアが浮かぶ。ともかく、急いで準備しなければ、と思う。